いつもは賑わう夜の銀座もご覧の通り、閑散として
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【写真】銀座や歌舞伎町、新橋がシャッター街に!? 宣言下の夜の繁華街は今

“飲食店だけ”という措置を取ったことが、結果的にネガティブなイメージを作り出してしまった。また、店舗や業態によっては、協力金だけでは足りません。その結果、通常営業という判断にいたる店があらわれ、そこに客が殺到し、感染防止の意味をなさなくなってしまった。『感染拡大防止協力金』は良策とは言い難い

 そう語るのは、食のあり方から飲食店の課題まで幅広く取材を重ねるフードジャーナリストの東龍さん。飲食店だけに限定するのではなく、幅広い範囲で行動制限をかけ、それにともなう保障をきちんと差配していれば、飲食店だけがやり玉にあがることはなかったと続ける。

「飲食業界を見渡したとき、飲食店だけが優遇されていることも問題でしょう。生産者はもちろん、酒造メーカーや卸業者、仲卸業者などサプライチェーンへの保障も手厚くするべきでした」(東龍さん、以下同)

 飲食店が休業すると、生産先や仕入れ先が在庫を抱え込むことになる。食材だけではない。飲食店でアルバイトをする従業員や、おしぼり業者なども苦境に立たされることになり、飲食業界の中で温度差が生まれてしまった。

何のために飲食店を開いたのか

 そういった軋轢を生まないためにも、飲食店の中にはデリバリーやテイクアウトという形で食を提供しようと努力するお店もある。しかし、都内在住の30代女性はこう漏らす。

「応援したい気持ちもあるから買ってはいますけど、飲食店の役割って違くない? って思います。仕事で疲れてリラックスしたいとか、できたての料理を食べたいとか、何気ない会話を楽しみたいから、わざわざ割高のお金を払ってお店に足を運んでいるんですよ。

 何かしら営業努力しているお店はまだいいけど、ずっと休業しているお店って、何のために飲食店を開いたんだろうって思います。そういうお店には行きたくないので、“うちはコロナ禍でも営業努力してました”とかわかるものがあったらいいのに(笑)」

 こういった拒否反応を示す人は少なくなく、東龍さんも「お店を応援したい人と、冷めてしまう人の二極化が見られる」と危惧する。

「星付きの飲食店などが閉店するケースもあります。協力金が十分ではないことも原因のひとつですが、お弁当を作るためにお店を開いたわけではない、お客様とのコミュニケーションを楽しむことができないといったモチベーションの低下もあるようです」

 実際問題として、飲食店が疲弊していることは間違いない。今年9月に帝国データバンクが発表した『新型コロナウイルス関連倒産』(法人および個人事業主)によれば、全2000件のうち336件と飲食店が業種別で最多。うち居酒屋が91件、バー、ナイトクラブが18件と酒類提供をメインとする業態が飲食店全体の3分の1(32.4%)を占めている。住宅街にあるようなバーやスナックは協力金で潤っているかもしれないが、繁華街の居酒屋やバーは青息吐息なのだ。