「のど力」の低下を防ぐのどトレーニング
唾液の分泌をよくして口の中のうるおいを取り戻し、のど周辺の筋肉を鍛えて飲み込み力をアップさせます。毎日、続けると効果的です。
【1】唾液腺マッサージでのどをうるおす!
耳下腺マッサージ
手のひらを頬に当てて、耳の手前にある耳下腺に指数本を当てる。指全体で前に向かってそっと押すようにやさしくなでる。
顎下腺マッサージ
顎下腺は、あごの両端にあるとがった骨のすぐ内側にある。両手の親指を顎下腺に当て、上方向にゆっくり押し上げる。
〜ポイント〜
やさしく、ゆっくりと行う。それぞれ10回程度が目安
【2】あご押し&声出し体操でのどの筋肉を鍛える!
あご押しトレーニング
あごの下に両手の親指を当てる。少しあごを引き、親指で押し戻すように上向きに押す。あごと親指で押し合う感じで。
声出し体操
口を横に大きく開き、奥歯をくいしばるように力を入れて、イィーと10秒程度、声を出す。
〜ポイント〜
のど仏がグッと上がっていることを意識しながら行う
【3】舌出し体操で飲み込み力アップ!
前後に動かす
口を大きく開く。舌を思い切り出して、引っ込める。これを2~3回、繰り返す。
左右に動かす
舌を出して、左右に大きく動かす。2~3回、繰り返す。
〜ポイント〜
できるだけ大きく舌を動かし、舌の奥の筋肉を鍛える
要注意!キケンなせきの見分け方
せきは身体を病原体の侵入から守り、異物を外へ出す正常な反応だ。
「せきが出るときは、むやみに止めず、出してください。風邪のときもよほど苦しくない限り、せき止めは飲まないほうがいい。また、誤嚥してせき込んだときは、どんどんせきをして異物を出すことが大事です」(大谷先生、以下同)
新型コロナウイルスが気になる昨今は周囲への気兼ねからせきを我慢しがちだが、せきが出るということは、のどが若くて元気なサイン。むしろ、せきがあまり出なくなったら異物が侵入しやすく、肺炎が進行するリスクが高くなる。
ただし、長引くせきには重い病気が隠れていることも。2週間以上、せきが続く場合は肺炎やせきぜんそく、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺の病気の可能性がある。中には、肺がんや結核など、深刻な病気の場合も。
「素人判断は危険なので、できれば呼吸器の専門医を受診して原因を調べてもらいましょう」
教えてくれた人……大谷義夫先生 ●池袋大谷クリニック院長。東京医科歯科大学呼吸器内科医局長などを経て池袋大谷クリニック開院。呼吸器のスペシャリストとして著書多数
〈取材・文/新田聡子〉