たまったストレス、発散できていますか? 実はストレスやイライラは「首の筋肉のこり」をほぐすことで和らぐことが判明。効果抜群の最新メソッド「首筋はがし」を初紹介します! 1日たった30秒のセルフケアで自律神経を整えてストレス&イライラをすっきり解消!
首の筋肉が重要なワケとは
最近、気分がふさぎがち……。ストレスがたまってすぐにイライラしてしまう。もし思い当たるなら、それは自律神経の乱れのせいかもしれない。
「季節の変わり目のこの時期は自律神経のバランスを崩す人が増えます。加えて、新型コロナウイルスの影響で運動不足になったり、夫の在宅時間が増えるなどの生活の変化がストレスになったりして、心身の不調を訴える女性が増えています」
そう話すのは、ストレスを抱えた患者を長年治療している学校法人呉竹学園臨床教育研究センター長で鍼灸師の船水隆広さんだ。
ストレスやイライラを鎮めるためには、身体をリラックスモードにしてくれる副交感神経を高めることが大事だが、実は、首の筋肉が副交感神経に深く関係しているという。
「耳の裏のところから鎖骨に、縦に走っている太い筋肉があります。顔を横に向けると浮き出る筋肉で、『胸鎖乳突筋』といいます。この筋肉の近くを副交感神経の一種が通っているため、胸鎖乳突筋を刺激すると副交感神経を高めることにつながります。
逆に、疲れがたまったりストレスを感じて身体を緊張させる交感神経優位の状態が続くと、この筋肉にこりや痛みが出やすいです。自律神経の乱れが原因のひとつであるうつ病患者の約7割に肩こりや頭痛の症状があると言われていますが、それも副交感神経と胸鎖乳突筋が関係しているから。
もし首や肩にこりや痛みがあるなら、心が疲れているサインかもしれません」(船水先生、以下同)
胸鎖乳突筋は首の左右にあり、頭を支えて首を曲げたり回転させるなどの動作を担っている筋肉。すぐそばに頭と心臓をつなぐ血管が通っているため、この筋肉がこって血管を圧迫すると血の巡りが悪くなり、頭痛やめまいなどを引き起こすこともある。
では、実際にこの筋肉を刺激することで副交感神経を活性化させることはできるのか。8人の男女にセルフケアを試してもらい、施術前後で自律神経の状態を調べてみた。すると、興味深い結果が……。
◆簡単セルフケアで副交感神経が高まった!
男女8人に胸鎖乳突筋を軽く叩くセルフケアを行ってもらい、施術の前後で交感神経と副交感神経のバランスを示す数値(数値が低いほど副交感神経が優位)を比べた。すると、8人中7人で施術後のほうが副交感神経が高まり、また、8人の平均値でもリラックス傾向を示していることがわかった。
協力 (株)村田製作所 疲労ストレス計 MF100活用
施術前は緊張を司る交感神経が優位の状態だったのが、施術後には副交感神経が高まっていることがわかったのだ。しかも、肩や首のこりが和らいだり、耳鳴りが改善したというケースも。
「正直にいうと、ここまではっきりと数値に表れたことに驚きました。おそらく、胸鎖乳突筋は東洋医学の面からも重要な筋肉なので、これほど大きな変化があったのだと思います」