また、家族名義の保険契約であっても、控除の対象となる場合がある。例えば、妻名義の医療保険の保険料を夫が払っているのであれば、夫の年末調整時に申告が可能だ。家族の分の書類提出に漏れがないか、いま一度確認してみよう。

 提出できていない控除証明書が見つかった場合や、申告していない保険契約がある場合は、勤務先での年末調整のやり直しが必要。なお、控除証明書をなくしてしまっても、生命保険会社に申請をすることで再発行してもらえる。

イラスト/やまだやすこ
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親に仕送りをしているなら節税のチャンス!

●最大約6.2万円の節税!

 離れて暮らしている親に生活費などを仕送りしている人もいるだろう。実は、所得が一定以下の親に仕送りをしていれば「扶養控除」の対象になり、税金を安くできる可能性がある。夫と妻どちらの親に仕送りをしていてもよく、祖父母であっても問題ない。

 仕送りの額に明確な決まりはなく、年末調整時に添付する書類もない。ただし、送金を証明する書類の提示を勤務先から求められることがあるため、預金通帳のコピーや、送金依頼書などは残しておこう

 控除額は、仕送りを受ける親が70歳未満である場合は38万円、70歳以上である場合は48万円だ。見落としやすいが控除額も大きいため、忘れずに申請しよう。

iDeCoもふるさと納税も手続きしないと節税の意味なし!

●最大約6.8万円の節税!

 多くの会社員が節税のためにiDeCo(イデコ)やふるさと納税を利用しているが、いくら節税効果が大きくても、手続きしなければ節税メリットは得られない。ただ、手続きは意外なほど簡単だ。面倒がらずにサクッとすませてしっかり節税したい。

 iDeCoは、年末調整時に「小規模企業共済等掛金控除証明書」を提出し、支払った額を申告するだけ。ただ、この控除証明書はiDeCoに関係する書類だとわかりにくいデザインなので注意が必要。紛失したり捨ててしまったりする人も少なくない。万一提出した記憶がない場合は、iDeCoの口座を開いている金融機関に証明書を再発行してもらおう。

イラスト/やまだやすこ
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 ふるさと納税は、これまでは年末調整ではなく確定申告が必要だったが、寄付した自治体が5つ以内であれば「ワンストップ特例制度」を利用して確定申告なしで控除を受けられるようになった。また、確定申告する場合も今年度から「ふるなび」や「楽天ふるさと納税」などが発行する「寄附金控除に関する証明書」を添付するだけですむように。せっかくの税金対策なのだから、忘れずに手続きを。