防災はおもしろい!という発想を
ほかにも、100均でそろえられる防災グッズを使って家の中の安全を確保する方法はさまざま。
「寝室などの観音開きの扉にはS字フックを取っ手にかけておくことで開くのを防止することができます。ただし、服がたくさん入ったケースなどは重さがあって開き戸からすごい勢いで飛び出してくることが。私は最近、衣装ケースのある開き戸だけは、自転車用のダイヤル式の頑丈なロックに変えました」
さらに、避難時に持ち出す防災リュックの中に常備する衛生用品は、だいたいのものが100均でそろう。
「衛生グッズは一定の量をキープして、防災リュックからどんどん使ってローリングストックをしています。出して入れるときにまた中身をチェック。そうすれば防災グッズが日常で把握できます」
防災というとネガティブにとらえる人も多いけれど、辻さん流の防災対策をしておけば生活の質も向上。
「災害は怖いけど、防災はおもしろい!という気持ちで防災対策を楽しみましょう」
(取材・文/鈴木恵理子)
《PROFILE》
国際災害レスキューナース・辻 直美 ◎看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。実家が全壊したのを機に災害医療に目覚める。看護師歴30年、災害レスキューナース歴26年。防災術の講演やセミナーでも活躍中。著書に『レスキューナースが教える プチプラ防災』(扶桑社)