あんな若い子たちにあんな歌

『世代別ベストソング』では、ニコルら若者世代をさらにドン引きさせた“名曲”も登場。同じく昭和世代が【女性アイドルソング】カテゴリーで選出した『セーラー服を脱がさないで』だ。

《セーラー服を脱がさないで 今はダメよ 我慢なさって セーラー服を脱がさないで 嫌よダメよ こんなところじゃ》

 1985年から放送がスタートした、『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)内で歌われていた『おニャン子クラブ』を象徴する歌。秋元康が書いた過激な歌詞に対し、「なんかすごい歌なんですけど…」「あんな若い子にたちにあんな歌…」とショックを隠せないニコルら。

乃木坂46』『欅坂46』『AKB48』の歌を選出した令和世代にしてみれば、同じプロデューサーが手がけた歌とは思ってもみないだろう。

 ちなみに乃木坂46は、2020年9月放送の『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)にて『セーラー服を脱がさないで』を披露したことがある。際どい歌詞の部分はコラボ参加した元おニャン子メンバー・新田恵利らが歌唱したものの、やはりネット上では歌そのものに“女性蔑視”などと指摘する声が上がったのだった。

 前出の佐々木氏も「これはさすがに、アウトと言わざるを得ない」と笑うしかない。

「そもそも、当時は芸能人のベッド流出写真などを“ニャンニャン写真”とも称したわけで、今考えれば番組名からしてマズイ(苦笑)。ただ、おニャン子以前より性を連想させる歌は多くありましたし、番組も然り。それがウケていた時代でもありました」

 たしかに冷ややかな目でVTRを見るニコルらを尻目に、「懐かしいな〜、高校生に戻っちゃうよ」などと嬉々として食いついていた『さまぁ〜ず』らオジサン。彼らはなぜ、令和世代が引いていたのかすらわかってないかもしれない。

 たとえば新入社員歓迎会でカラオケに行ったとして、オジサン上司が若い女性社員に“これ歌ってよ”と他意なく要求して、セクハラを指摘されてもおかしくはない。そんな歌には“ミュージックジェネレーション”という名目だけでは到底受け入れられない、世代間ギャップが潜んでいる。