「僕が『週刊女性』に初めて触れたのは、病院の待合室です」
そう話すのは、『木蘭の涙』や『今夜だけきっと』など、数々の名曲で知られるバンド・スターダスト☆レビューのボーカル・根本要(かなめ)だ。
小学5年生が「人生の転機に」
「もともと、親父が勤務医でおふくろは看護婦長をしていて、あまり家にいなかったので、家でおとなしく過ごせるようにと、小さいころからマンガを与えられていました。父が開業医になってからは、暇なときは待合室で過ごすようになり、そこに『週刊女性』もあったので、幼いながらもたまに目を通していましたよ」
小学5年生だった根本に、早くも人生の転機が訪れる。
「僕は、兄2人と妹1人の4人きょうだいなのですが、兄たちが音楽好きだったので、僕もその影響を受けていました。そして、男兄弟3人が一緒に遊べるようにと、両親がギターを買い与えてくれたのが、僕が小学校5年生くらいのとき。それが、人生の転機でしたね。たまたまそのときに兄たちが受験だったことで、ギターを独り占めできたことも大きかったです」
バンドを組むようになったのは、中学2年生。
「バンドのコンテストにも出るようになったんですが、これが意外と勝っちゃうんです(笑)。当時いちばん大きかったのが、ニッポン放送の『フォークビレッジ』というコンテストでした。そこで、全国大会まで進出しちゃって。それも、友達が僕らのバンドが学校で歌っているのを録音して、勝手に応募していたんです」
自らの曲がラジオで流れていたことも、後から知らされたという。
「友達に“君らの音楽が、昨日ラジオで流れたんだよ”と急に言われて、録音されたカセットを聞いたら、かまやつひろしさんが“中学生だなんて信じられないよね”なんて言いながら、僕らの曲をかけていたんです。本当にびっくりしました」
そこから勝ち進んでいき、日比谷野外音楽堂で行われる決勝に進出した。
「決勝が行われたのが、高校に入学した2日目くらいのことでした。でも、学校を早退しないと参加できなくて。僕の学校は、埼玉県の中でも優秀な進学校だったこともあり、早退の許可がおりず……」