アソコは“第2の顔” 「ふっくらピンク」を目指すお手入れ法
中高年以降、デリケートゾーンにはさまざまな変化が起きる。実は、更年期のエストロゲン減少に加えて、セックスレスで“ご無沙汰”な状態も腟の劣化につながるとか……。
「加齢によって腟が衰えると乾燥し、分泌液が減って濡れなくなり、腟粘膜も薄くなります。さらに腟の入り口も狭くなって萎縮するので、性交痛も感じやすくなる。女性から“久々にパートナーとセックスをしようとしたら性交痛がツラかった”という相談も多いですね。中高年以降、腟は数か月使わないと萎縮することも、ぜひ覚えておいてほしいですね」
性交痛のほかにも、外陰部のたるみや、色素沈着によるアソコの黒ずみなどビジュアル面の衰えも著しい。こうした腟の加齢変化を放置すると、どんどん老け込んでいく、と富永氏は話す。
「鏡にうつる顔を“第1の顔”とすると、デリケートゾーンは“第2の顔”。顔に入念なお手入れをするようにデリケートゾーンのケアも真剣に取り組めば、若返りも期待できますよ」
適切な洗い方でにおいのもとを断つ
中高年女性に、まず見直してほしいのが「デリケートゾーンの洗い方」だという。
「小さいころから“アソコは触ってはダメ”と言われて育った人は、ササッと洗っておしまいにしがち。その習慣を続けていると、大陰唇と小陰唇のあいだに垢がたまってにおいの原因になります。ボディソープで腟のヒダまで丁寧に洗うと清潔になるだけでなく、マッサージ効果で血行もよくなるので一石二鳥!」
ただし「腟の中を石けんやボディソープで洗うのはNG」と、富永氏。
「腟内は“デーデルライン桿菌”という善玉菌の自浄作用によって常に“酸性”に保たれています。しかし、更年期以降はエストロゲン低下の影響でデーデルライン桿菌の数が減少しているんです。そんな部位をアルカリ性のボディソープで洗うとデーデルライン桿菌が死滅してしまい、雑菌が増えて“すえたにおい”がする……なんて悪循環に陥ってしまいます」
デーデルライン桿菌を減らさないためにも「デリケートゾーン専用ソープ」を使用するのがベストだとか。
「仕上げに善玉菌を含む“腟専用の保湿ジェルクリーム”を腟内に塗り込むと、腟専用善玉乳酸桿菌が補充されます。腟内の環境が整うと、においが軽減されますよ」
腟の健康は日々のお手入れで決まる! 地道に続けるのが吉だ。
マッサージ効果も! 更年期からの正しい洗い方
1 Vゾーンはお腹をやさしくマッサージするように洗う
2 大陰唇と小陰唇の隙間、ヒダの外側を指先で洗う
3 クリトリスは指2本で包皮をむくようにして洗う
※腟の奥深くまで洗うのは避けて。また、温水洗浄便座の「ビデ」は善玉菌を洗い流す可能性があるので多用は控える。「外陰部はやさしくなでるように“立体的”に洗うのがコツ」と富永先生