「虚偽の内容で金融機関に住宅ローン融資を申し込み約3100万円を騙し取ったとする詐欺容疑で2011年3月、三重県警に逮捕されたんです。共謀者がふたりいました」
と地元記者。
釈放された当日、前出のマスターを訪ね、
「すいません。こんな事件を起こしてしまいまして」
と頭を下げたという。
「まだ若いんだからやり直せばいい」
とマスターは叱咤激励。
太陽光発電で儲けた金でエビの養殖事業
再スタートで手を出したのはビッグビジネスだった。
「太陽光発電事業に手を出し、億単位の金を稼いだといわれている。田畑を購入して施設をつくるオーソドックスなやり方をせず、土地を持たずに権利だけを右から左に動かすビジネスだったようだ。稼いだ金で真っ赤なフェラーリを買った」(知人男性)
家庭ではいい父親だったようだ。子ども6人に恵まれ、休日には広い庭でバーベキューする姿が目撃されている。
「奥さん(梨恵容疑者)は派手なことを好まず、子どもたちと近所のドブさらいなんかをしていた。子どもはみんないい子ばかり。旦那も子どもと庭の植木を切ったりしていた。昨年12月、奥さんが近所に“津市に引っ越すんやわ〜”と理由を言わずに告げ、そのあとで離婚が決まったみたい」
と近所の住民。
前出のマスターは言う。
「太陽光発電で儲けた金を元手に、東南アジアで油田開発やエビの養殖事業を手がけるという話が知人を介して伝わってきた。そんな大金はないはずと不思議に思っていた」
なぜインドネシアに逃亡したのか。光弘容疑者の父親に事情を尋ねると、
「エビの養殖は知らんが、油田開発する話はしとった。賢くてやさしい子なんですよ。あの子が9億6000万円全部取ったみたいに報じられとるけど、報酬は1割強で犯行グループの頭数で割れば900万円ぐらい。かわいそうや」
せしめた金の行方はわかっていない。競輪などのギャンブルは嫌いだったという光弘容疑者。堅実にコツコツ稼ぐ道は選べなかったのだろうか。