100kmウォークを何度も走破「挑戦できることにワクワクする」
24時間以上、不眠不休で歩き続ける100kmウォークに挑戦する森田馨さんは87歳。
「40代後半で夫に誘われて走り始めたのがきっかけ。当時は女性の市民ランナーは少なく、気が進まずに泣きながら隠れるように走っていました」
それでも走ることを続け、フルマラソンには20回以上出場、北海道サロマ湖で開催された100kmマラソンも完走した経験がある。そこからウォーキングに転向したのは75歳のときだ。
「年をとると、万が一の転倒で歩けなくなることもあります。若いころとは違うから、絶対にケガをしてはいけないと思って走るのをやめました」
かわりに始めたのがウォーキングだった。2019年には、84歳で100kmウォークに初挑戦し見事踏破。
「100kmマラソンに比べると、年のせいかしんどかったですね。でも沿道には夜中まで応援してくれる人がいて、温かさに涙が出ました」
マラソンを続けていたころに、描いていた夢がある。
「京都まで走っていこうと思っていました。30kmくらい走ったら休憩しつつ。でも今はもう走れないので、電車で京都までひとり旅したいですね」
終活はまだ考えていない。なぜなら次の挑戦がすでに決まっているからだ。
「11月にある100kmウォークに挑戦する予定です。今年の5月も出場したのですが、靴ずれのため56km地点でリタイア。また挑戦できることに、今からワクワクします」
しかし絶対に完歩しなければ、という気負いはない。
「みんなと一緒にスタートできるだけでうれしい。私の友達、みんな若いんですよ(笑)」
〈取材・文/中村未来〉