澤井「IMALUさんって新しい仕事に挑戦されている印象が強いです。例えば、ポッドキャストで配信されている『ハダカベヤ』ってどういった思いで始められたんですか?」
IMALU「あの番組に関しては、それこそ30代になって、結婚や出産をリアルに考える年齢になって気づいたことがあったからなんです。女性は生理や出産を経験する生きものですが、そういったことに関する性教育をきちんと受けてなかったなと気づきまして。
もし自分が出産するってなったときに“全然知識がない”と思って、女性の性の悩みなどを気軽に話せる場を作りたいなと思って始めたんですよ。毎週テーマを決めて、番組としてやってみようと。
個人的に友達と企画して始めてみて。自分の勉強のためと、同じ立場の女性や、男性の意見も聞いてみたりして、悩みを共有し合えたり、みんなで価値観をアップデートしていければなと思っています」
旅は「自分になかった価値観」を吸収できる
澤井「素敵ですね。コロナ禍を機にでも、この年齢になったからでもいいのですが、仕事への考え方って何か変化があったりしましたか?」
IMALU「コロナ前なんですけど、27歳くらいのときかな。仕事にすごく疲れちゃった時期があって。お休みを頂いて、1人でインドネシアへ旅行に行ったんです。そのときに、インプットする時間というか、心と身体を一旦休めて、旅行みたいな自分が好きなことをする時間も大事だなって感じて。
それまでの20代前半では“休みがないほど仕事があることが幸せ”だと思っていました。でも、今ではコロナの影響もあってリモートでできる仕事も増えてきましたし、東京にいなくても仕事ができるようになってきましたよね。今は心のバランスをとりながら仕事をしていく、という意識をもっている感じです」
澤井「いろいろと旅をされる中で、IMALUさんの中で具体的にどんな変化が生まれていったのでしょうか?」
IMALU「視野が広がる感覚はすごくありますね。自分の居心地がいい場所って、毎日仕事をしていると自然にできていくじゃないですか。東京で仕事現場に行って仕事して…ということを繰り返していくと。
でも、旅に出ると今とりあえず最低限の満足度を得られている場所から出られるというか。一旦出てみると、視野が広がって自分を客観視できますし、海外になると言語や文化やファッションがちがう。頭がクリアになる感じです。現実逃避の意味もあるけど(笑)。自分になかった価値観を吸収していくことが楽しいんです」
澤井「なるほど〜。僕も2年前くらいに人間関係と仕事に疲れちゃった時期があって、気持ち的に似た感覚がありますね。このままテレビの仕事を増やし続けて、何を目指しているんだろう…って。20代は自分の考えた企画がより多く通ってテレビで放送されることが目標だったのが、それを達成していくとどこか、描いていた景色とはちがう景色で……。周りの作家さんと話すときも、IMALUさんがおっしゃっていたような話をよくしています!」
IMALU「企画を通すのがいちばんの目標だったのに、どうしてそういう気持ちになったんですか?」
澤井「“何のために企画を通すのか”っていう部分が大事だと気づいたからなんです。それこそ、これまでの仕事の中でいちばん印象に残っているのがIMALUさんのお誕生日企画でして」
IMALU「本当ですか! ありがとうございます、うれしいです」