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ー ついに到来した超・低年収時代
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ー 支出の大半は「家」。都会を捨てる選択も

 5人に1人が年収200万円以下という時代に突入した。物価高は進み、年金制度も不透明、投資する元手もなく、再就職など収入を得るハードルも高い。20年前に著書がベストセラーになったことがきっかけで「年収300万円」が流行語大賞になった森永卓郎さん。年収200万円時代に突入したいま、どう生きていくべきか話を聞いた。

ついに到来した超・低年収時代

《これから、過去に例のないほどの大不況が訪れ、年収200万円時代が到来する》

 そう私が予見してから2年がたったいま、昨年の国税庁の調査で日本の労働者の5人に1人以上が年収200万円以下であることが明らかになりました。正確にいうと、給与所得者5245万人のうち年収200万円以下の人は全体の22・2%。さらに、200万~300万円の割合が15・5%ですから、なんと給与所得者の4割近くが年収200万円台以下です

 この状況は、非正規社員の割合が爆発的に増えたことが原因と考えられていましたが、ここ数年を見てみると、正社員であっても年収200万円台という人が増えてきています

年収300万円以下の人の割合は37.7%。4割近くの人が年収200万円台以下である/出典:国税庁「民間給与実態統計調査」(令和3年9月)
年収300万円以下の人の割合は37.7%。4割近くの人が年収200万円台以下である/出典:国税庁「民間給与実態統計調査」(令和3年9月)

 原因として考えられるのは弱肉強食社会での経済格差の拡大です。稼いでいる人はより大きな収入を得られる一方で、低所得者はさらに貧困に追い詰められていくという格差社会が問題の根源にあると思います。残念なことに、私はこの状況がさらに悪化していくと予想しています。

 戦後生まれの団塊の世代が後期高齢者に入る2025年以降、年金や医療、福祉などで国の負担は急速に増えていきます。その打開策として政府が打ち出したのが、労働力人口を増やすというもの。

 労働力人口の減少は税収の減少に直結しますから、高齢者や女性、そして外国人労働者を安い賃金で働かせようというのが国策になりました。その結果が年収200万円問題なのです。この国最大の課題である少子高齢化が止まらない限り、経済格差はこれからも広がり続けます。