生徒と同じ主婦目線が今の成功につながった
40代で夫と離婚。上の子ども2人は独立し、今は大学生の息子、保護犬と暮らす。
「食材や生活用品、ペット用品は、できる限りふるさと納税の返礼品で賄うようにしています。ただ税金を払うのはもったいないですからね」
納豆や卵などの定番食材はだいたい週1回、近所のスーパーで購入している。
「使う金額は3千円ぐらいです。息子が好きな冷凍食品がある業務用スーパーも活用し、ムダなお金は使わないがモットー」
経済的に苦しい時代が長かったので「あるもので暮らす」生活が身についている。
「常に『本当にそれが必要か』を考えてから買います。クラフトバンド1本の売り上げで、どのぐらい利益が出るのか、社長になってからのほうが金銭感覚はシビアになっているのかもしれません」
松田さんが使うペンも、量販店で1本20円のものだ。
「私にとってのお金は『お客様からいただいたお金』で、とても貴重なもの。クラフトバンドを買ってくれる主婦目線は大事にしていますね」
会社で使う文房具も付箋などは、100円均一で買うよう指示しているという。
「自宅にはお金をかけましたが、今しているイヤリングは千円ですし、いつも持ち歩いているバッグは自分の作品です。大事なのは、外側ではなく中身。内面を磨けば、見た目もそれなりに見えると考えています」
髪のお手入れはしているが、美容院は年に1回程度。メイク道具もドラッグストアなどで買っており、メイクにかける時間も1日5分程度だ。
「健康のためにちょっといい食材を使ったり、年をとっても清潔感はキープしたいので美容皮膚科でのシミ取り治療などにはお金を使います。貯金が趣味というわけではなく、今は買いたいと思うものがないんですよ」
ブランド品には全く興味がないと語る。
「子どもたちにブランド品を買い与えることもしませんでした。分不相応なものは似合わない。どうしても欲しいなら自分で買ってと言います」
財産も子どもたちに残さないので、自分の死後は寄付するつもりと話す。
「よく成功を収めている経営者の自伝を読むのですが、社会貢献をされている人が多いんです。私もこの世に生まれてきた意味や価値を考え、できることをしていきたいと思っています」
◆億女の金言「一番好きなことを極めてみる。外側ではなく中身にお金をかける」
(取材・文/宇野美貴子 協力/熊谷和海)