効果が薄れることも…市販薬の落とし穴

 しかも、第2世代抗ヒスタミンは特にくしゃみや鼻汁に対する効果が高く、また即効性もあるとの報告がある。

「種類はたくさんありますが、どのがその人に効果があるかは実際に飲んでみないとわからない。市販でも、こうした脳内にまで影響が出ない、つまり“眠気の出ない”を謳っている商品が多くあるので、自分にあったものを探してみましょう」

 この市販にも、使い方によっては効果が薄れる落とし穴がある。

「第2世代抗ヒスタミンを“今日は鼻炎がつらいな”といった状態の時のみ服用する人がいますが、これでは本来の効き目が得られません」

 症状が出た日から、毎日同じ時間に飲み続けること(初期治療)が重要だと入谷医師

「市販にもある、第2世代抗ヒスタミン(アレジオンやアレグラ、クラリチン)などは医師が処方するものと全て同じ規格で作られているものです。理想は、これらを花粉シーズン飲み続けること。ただ、市販は費用面や、症状が悪化して不必要な服用を避けるためにも、一度は医師へ相談することをおすすめします」

お話を伺ったのは
入谷栄一(いりたに・えいいち)医療法人社団勝榮会 いりたに内科クリニック 理事長・院長 東京女子医科大学呼吸器内科非常勤講師 NPO法人日本メディカルハーブ協会顧問 総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医、インフェクションコントロールドクター、産業医
長年、大学病院でがんの臨床研究に携わり、がん患者の約6割がサプリメントなどの補完医療を行っている事実に直面。自身もぜんそく・アトピー・花粉症で苦しみ、現代医療に補完医療を取り入れ、人生が大きく変貌した経験をもつ。そんな中「ハーブを使った自然療法」を通した手法が評価され、日本初のハーブ専門外来を開設した実績を持つ。現在は地域医療や在宅診療に力を入れている。著書『病気が消える習慣』、『キレイをつくるハーブ習慣』(経済界)