前出の正木弁護士にT氏から第三者を通じて送られてきたメールの内容に違法性があるのかを聞いてみると、
「一般論として、正当な権利に基づく正当な請求であっても、度を超える内容の請求については恐喝罪や脅迫罪に該当する可能性があります。メールの文面からは、篠田さんが芸能活動などを継続するためには『8000万円を支払え』と言っているようにも読めるので、脅迫罪に該当する可能性があります。ただ、はっきりと『録音データを暴露する』等の文章がないため、このメールだけで恐喝や脅迫と判断することは難しいでしょう」
夫が弁護士を関与させない理由
しかし同メール以外にも、T氏による金銭要求は複数回行われてきたが、決まって「弁護士を介入させないこと」と注文が入り、さらには「すべてが公になってしまう前に」「週刊誌に出る前に」と、暴露を予告するような注釈がつけ加えられていたという。
12月28日、篠田は一連の騒動についてインスタグラムで初めてコメントを発表。
《私が不倫したという事実はありません。今後、私が法廷に立つことになっても、そう主張していきます》
と書かれていたが、これはT氏に対する「不当な和解金での解決などあり得ない。裁判で争う」という“意思表示”だったのだ。
「この麻里子の対応は、司法や弁護人を介入させたくないT氏にとって最悪の道筋だったのでしょう。一般的な離婚裁判で、数千万単位の慰謝料など認められるはずがない。しかし、彼はでっちあげに等しい証拠で、麻里子との関係を疑っていたS氏に対しても訴訟を起こしてしまっている。『和解金を払えば要求をすぐに取り下げる』ということなのでしょうが、S氏にしてもT氏とはとことん争う姿勢のようで、実際に追い詰められているのは他ならぬT氏の方だったんです」
事実、暴露や訴訟提起の裏で年末年始から、自ら申し立てた離婚調停の最中にありながらT氏は、各方面に「麻里子と連絡が取りたい」と打診を続けているという。
「共通の知人や関係者、果ては麻里子の兄にも連絡がありましたが、すべて無視しています。ここまできてなお、彼からのメッセージには謝罪の一言すらないし、『長女のためにも弁護士を挟まないで解決したい』と持ちかけているからです。なぜ弁護士を関与させないのか? 不当な慰謝料の要求が通らなくなるからに決まっています。
立て続けの暴露で、麻里子は『これで彼との縁が切れるのであれば……』と、金銭要求に応じるべきかと弱音を吐いたこともありましたが、不倫が事実でないのなら最後まで戦うべき。私たちの意見に、麻里子も改めてT氏と決着をつける覚悟を決めたようです」
T氏に「8000万円要求メール」の事実関係や「音声データの流出」の件について問い合わせたが、期限までに回答はなかった。
正々堂々と裁判で争う覚悟を決めた篠田に対して、頑なに司法を介させたくない意向である夫のT氏は今後、どのような動きを見せるのだろうか。
※1月17日配信記事につづく
正木絢生代表弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。第二