シーズン前の予防服用で薬の量を減らせる!
「症状が悪化してからの治療では、すでに“焼け石に水”ということも少なくありません。強めの内服薬を複数錠も飲まなければならない場合もあります。症状が出る前に薬を飲み始めていれば、結果的にシーズンを通じた薬の総量を減らすことも期待できます」
花粉症は花粉の飛散量などによって症状の軽い日、ツラい日があるが、症状がある日だけ市販薬を使う生活を続けていると逆に悪化させる可能性がある。
「市販薬には、使うと一時的にすっきりして症状が軽くなるものもありますが、長期使用に適さないものもあります。例えば、血管収縮剤が含まれる点鼻薬は最たるもの。長く使うと鼻の粘膜が腫れてしまいます。今出ている症状を抑えようと、自己判断での投薬は危険が伴います」
一時、症状が治まったとしても、花粉症が完治することはまれ。シーズン前から始めてシーズン中は継続的にアレルギー反応を抑える薬を飲み、症状がひどい日には頓服薬を使うというのが花粉症と上手に付き合うコツだ。
さらに、服薬だけでなく、外出時に花粉が付着しやすいアウター、コート類をまめに手入れしたり、洗濯物を室内干しできるよう環境を整えるなど、自分でできる花粉対策もしておきたい。
「換気は花粉の飛散量が比較的少ない午前中に。午後1時から夕方はもっとも花粉が多い時間帯なので、その時間を避けた行動を意識するとよいと思います」
花粉による肌荒れも起きやすいので、シーズン前から保湿も心がけること。肌が粉を吹くほど乾燥していると、アレルギー物質に反応しやすくなり、肌荒れが加速する。
「肌が元気なら化粧をして直接肌に花粉が触れないようにし、外出したときは、帰宅後すぐに洗顔をして花粉を落としましょう。髪も多く付着するので、できればまとめ髪に。また、花粉のシーズン中にスキンケア品やコスメを変えるのはNG。肌荒れの原因が何かわかりづらくなります」