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ー 日本陸連は「応援以前の問題」

 

 1月29日に行われた大阪国際女子マラソン。浪速路を舞台に選手たちが激走を繰り広げている中、招かれざる“観客”がいた。

「カンテレ・フジテレビ系で生中継されていましたが、レース終盤、スタートから2時間3分ほど経過したところで、乳首の部分を切り抜いた服を着て沿道を並走している男性が映りこんでしまいました。マラソンを観にきたというより、テレビに映ることが目的のようにも。すぐにカメラを切り替えるなど、テレビ局も対応していましたが…」(スポーツ紙記者)

 その男性はオレンジの帽子をかぶり、袖がなく乳首の部分に穴をあけたシャツ、緑の短パン、オレンジのハイソックス、左右の腕にはオレンジと緑のリストバンドという出で立ち。電話を掛けながらカメラに向かってガッツポーズをしていた。

 この奇妙なファッションと行動がSNSでも話題となり《乳首おじさん》《放送事故》《選手に失礼》といった声が挙がった。

 前回大会はコロナ禍の影響で沿道での応援の自粛が呼びかけられていたが、今大会からは復活。そのために起こった“悲劇”ではあるが、沿道での観戦マナーについて、大会のホームページを確認すると

《新型コロナウイルス感染拡大防止のため、沿道での観戦は、過密を避け、大声を出しての声援はご遠慮をいただき、拍手で応援をお願いします》

《安全のため、ランナーと自転車で並走するなどの行為はご遠慮ください》

 と記載されていたが、歩道を走ったり、自転車で並走している人も見受けられた。

日本陸連は「応援以前の問題」

 このようにテレビ中継に映ることを目的に並走する行為について、日本陸上競技連盟に確認したところ……

「並走については通行人がいらっしゃる中で、周りを見ずにテレビに映ることだけの目的で走ることは接触事故にもつながる危険な行為なのでやめていただきたいです」

 と回答があった。今回現れた“乳首おじさん”のような格好については

「身なりの部分については、マラソンの応援以前の問題として、公道でのふるまいとして適切なものでは無いと感じています」(日本陸上競技連盟)

 コロナ禍での制限も緩和され、スポーツ界にも少しずつ“日常”が戻ってきた。一生懸命頑張る選手やマナーを守って観戦するファンの足を引っ張る人は退場してほしい。