老舗有名店が買収されたように見えるが…
字面だけ見ると“老舗有名店が巨大チェーンに買収された”というふうにも見えるが……。春木屋の常連客によると、春木屋は近年“変化”を見せていた。
「それまでは口頭で注文し、食後に料金を店員さんに直接支払うシステムでしたが、'20年に券売機が導入されました。そのころからか外国人店員さんが非常に増えていった印象です。
とはいえ、これらが悪いなどとはまったく感じていません。春木屋さんは店員さんの接客がとてもしっかりしているお店です。店員さんは客のお冷に目を配っていて、無くなりそうになるとこちらから言わずともおかわりの声をかけてくれたりすごく気配りがある。荷物の置き場を気遣ってくれたり、寒い日は入り口から遠い、できるだけ寒くない奥の席に案内してくれたり。それは店員さんに外国人が多くなっても変わっていません。最近は店員の態度がツンケンしているラーメン店も少なくないので……。
券売機は店側として売上の計算がしやすく、お金を直接やり取りしないので、コロナ対策にもなり衛生的ですし」(春木屋常連客)
経営権が移ったのは、どうやら券売機が導入された頃ころだという。
「経営権の譲渡は、富士そばのダイタンフード株式会社側から買収に至ったなどではなく、春木屋側から事業の継承の話が持ち込まれたとのことです。春木屋の二代目の店主さんは現在70代後半。後継者の問題もあり、ダイタンフード株式会社が事業を受け継ぐことになったそうです。
これまで荻窪に本店、支店は吉祥寺、分店が郡山にありましたが、事業継承以降、川崎のフードコートにも支店ができました。『名代富士そば』の会社に経営が移ったことで、今後は店舗が増えていくかもしれませんね」(前出・ラーメンライター)
“変わらない”ための、次なる変化は――。