介護は4段階!看取り後の自分のケアも
では、親の看取りで後悔をしないためには、具体的にどう備えていけばよいのか。阿久津さんは、「介護ロードマップ」で介護の流れを把握することが重要だとアドバイス。親の状態や介護がどのように進んでいくかを理解したうえで、〈ステップ1〉の混乱期に入る前にどんな介護を受けたいか、どこで最期を迎えたいかを確認すること。
「どんな介護であっても行く先は“親の死”。これは避けて通れません。必ず〈ステップ4〉の看取り期を意識して準備をしてほしいです」
ただし、この作業は親と子の双方が死と向き合う覚悟が必要。ある50代の女性は、親と介護ロードマップを共有して終末期の希望を聞いたところ、一度は「縁起が悪い!」と親が激高し大ゲンカに。しかし、それをきっかけに親は部屋を片づけはじめ、実家を売却してマンションに転居。介護施設の目星もつけた。
「親の介護や看取りの見通しができてホッとした反面、親の死という現実を突きつけられたようでつらかったとも言います。でも、人は誰でも死ぬもの。それを自然の流れとして受け入れて、準備することが後悔しない看取りにつながります」
でも、親に直接“どういうふうに最期を過ごしたい?”と聞くのはハードルが高い。そういう場合は、エンディングノートを用意するのも手だ。
「まず自分(子)が書いて、“私はこうしようと思うけど、どう?”といった会話から、親の気持ちを聞いてみるのがいいと思います」
確認した内容は、トラブルを避けるためきょうだいなどで共有すること。
「親が施設に入所することになっても“親の希望だから”と納得しやすい。介護者全員の足並みをそろえることができます。親が話したり、書いたりする様子を動画で撮っておくのもおすすめ」