シミ取りは熟練した技が必要な施術
シミ治療には、がんに関わる恐ろしい一面もある。
「ホクロとシミを見分け、さらに皮膚がんの可能性のあるものは、専門の医療機関を紹介するといった対応が必要です。しかし、経験が浅い医師では見落とすこともあり、がんとわからずにレーザーを照射してしまうこともあります」
照射したことでがん細胞が転移する可能性もある。
クリニックの中には、集客のために安値クーポンを出しているところもあるが、つられて訪れたら、よく確認しないまま高額なシミ治療を契約してしまったというケースも少なくない。
「クーポンはクリニック選びに便利な反面、安いからといって安易に利用してレーザー照射をしてしまうと、肌へ負担がかかるだけでなく、適切なケアがされないことも。
また、シミ治療のレーザーも看護師が照射を行っているところが少なくありません。治療の難しさを考えると適切とはいえません」
最初に費用や回数、デメリットの説明などに納得できるか、など自分に合うところかを見極めることが大切だ。
さらにクリニック選びを追求するなら、所有するレーザー機器レベルのチェックも。
「一般的にシミ治療に用いるQスイッチレーザーはシミ治療の効果は十分高いけれど、治療後のかさぶたが目立ち、炎症後色素沈着が長いというデメリットもあります。最新式は“ピコセカンドレーザー”です。
メーカーによって切れ味にも違いがありますが、治療後のダウンタイムが最小限に抑えられ、シミ治療の上位機種といえます」
ただ、高い最新式の機材を持っていても、シミの診断や技術が伴っていなければやはりトラブルにつながる。
「シミ治療だけなら、レーザー治療を行っている町の皮膚科クリニックでもトラブルは少ないと思います。シミ取りは照射設定や角度など、熟練した技が必要な治療です。経験豊富な皮膚科専門クリニックでの治療をオススメします」
シミはなんといっても日焼け対策が大切。特にこれからの季節は“うっかり日焼け”が致命的。
できてしまったシミのケアをしながら、予防もぬかりなく、自分の肌をいたわろう。
◆ 最新シミ取り施術 ◆
超短パルスで切れ味最高“ピコレーザー”。
ピコレーザーはパルス幅が従来機の1000分の1、ピコ秒(1兆分の1秒)単位。パルス幅とはレーザーを一発発振したときの照射時間だ。Qスイッチレーザーと比べて強い衝撃波を発振し、薄いシミまで消せる画期的なレーザー。
「熱によるダメージが大幅に減少し、痛みや照射後のかさぶた、炎症後色素沈着が最小限に抑えられます」(慶田先生)
(取材・文/ますみかん)