【節約テク1~14】出費前にお得情報を必ず確認!貯まる行動を習慣化しよう
「60歳を過ぎると、民間の割引サービスや自治体の補助金など、お得になるものが増えると感じます」
と風呂内さん。中には、旅行やレジャー費の節約につながるものも少なくない。
「出費の予定ができたら、使える制度や割引がないか調べるクセをつけましょう。スーパーのはしごのような節約法ではなく、アクションが少なく節約効果が得られるものを実践することも大切だと思います」(風呂内さん)
1. よく使うものは定期便を利用する
「チラシを見て、1円でも安いスーパーを探して買い物に行くのは、労力に対する節約コスパが思ったより低いと感じます」(風呂内さん、以下同)。日常では、おおむね安いと感じる店で買い物をするのがベター。一方、「飲み物や洗剤など、使用頻度が高いものはネット通販の“定期便”を利用。10~15%オフになることも少なくない上、買い忘れもなく効率的に節約できます」。
2. 効率よく光熱費を下げる方法を知る
冷蔵庫のムダな開閉を減らすことによる年間の電気代の節約効果は約320円。それに対し、庫内の設定温度を「強」から「中」にしておくだけで年間約1910円、壁から適切な間隔で設置すれば年間1400円の節約になる(資源エネルギー庁公式サイトより)。「やるべきアクションが少なくて、節約の効果が高いものを選んで実施するほうが続けやすいと思います」
3. シニア専用の電子マネーを使う
「イトーヨーカドー等で使える60歳以上が対象の“シニアナナコ”やイオン等で使える55歳以上が対象の“G.G WAON”など、ある年齢以上を対象にお得な割引が設定されている電子マネーは利用する価値大です」。普段よく利用する店に“シニアデー”の設定がないか、注目しておくことが大切だ。
4. もらえる給付金をアプリで確認
家計簿アプリ「zaim」には、住んでいる地域からもらえる給付金や手当、控除を教えてくれる機能「私の給付金」(世帯構成や家計簿の記録から検索する場合は有料版の「zaimプレミアム」の登録が必要)がある。「一覧で確認でき、もらい損ねを防げるので便利です」
5. レジ周りでお得情報をチェック
「レジの周りにあるポップは“○○会員限定のクーポンが使えます”や自治体で発行している“プレミアム商品券が使えます”など、実はお得に買い物をするための情報の宝庫。自分が対象になるものはないか、レジを待つ時間にも情報収集をするのがおすすめです」
6. 公共の宿や保養所を活用する
自治体が保有している宿泊施設なら格安に泊まれるというだけでなく、宿泊先によっては、自治体が1000~5000円の助成金を出してくれることも。「特に、国民健康保険の加入者が対象になることが多いので、市役所の担当窓口で問い合わせてみるのも手です」。また、会社の健保組合でも提携の宿泊先や旅行の補助金制度があったりするので確認を。
7. 自治体のシニア割を使い倒す
「公共交通機関の割引券やタクシーの回数券、美術館や公共のスポーツ施設の無料使用券など、自治体の多くがシニア向けサービスを展開。多岐にわたるので、地域の広報紙で利用できそうなサービスを確認するのが簡単です」。広報紙は、補助金などの情報も掲載されているので、貴重な情報源と覚えておこう。
8. 家賃補助の出る住み方を考える
親世帯と子ども世帯が近くに住むと家賃の割引が受けられることも。「例えばURの賃貸住宅では、“近居割”という制度があります」。子どもの近くに住まなくても、60~65歳以上に家賃補助を行う自治体も少なくない。「所得などによって補助の対象になるかどうかが異なるので、お住まいの自治体に確認を」
9. スマホはマイページでプランを見直す
スマホのプランが利用状況とマッチしているか、キャリアの“マイページ”で確認を。「インターネットのデータ使用量や通話頻度に合ったプランに変更すれば、月に数千円が節約できることも」。また、NTTでは今年4月から70歳以上に対し、申請すれば固定電話の「ナンバー・ディスプレイ」サービスを無償にしている。
10. 夫婦間で家計簿を共有する
「日常の生活で何にどれくらいのお金がかかっているかを知らない男の人は結構多いです。だから、退職後に新たな趣味を見つけて散財したり、逆に情報番組の“食費は月に2万円!”といった例を見て、なぜわが家も同じようにできないのかと詰め寄ったり。夫の定年が見えてきたら、毎月のお金の流れを共有し、どう使っていくかを夫婦で話し合う時間を増やすこと。老後のケンカの芽を摘み取ることにもつながります」
11. お金を使うときには割引や公的な補助金を調べる
家のリフォームや電動アシスト自転車の購入など、大きな出費があるときは割引や公的な補助金の有無を調べる習慣を。「自治体の補助金は時流によって変更されることが多い。普段からニュースをチェックして“こういう給付金やサービスが始まりそう”というアンテナを張っておくことも有効です」
12. 支出に不満があるものをランクづけしてみる
どうやって家計をスリム化すればよいかわからないときは、「“お金をかけたくないのにかけている”と思うものをランクづけし、上位から改善してみましょう。例えば、交通費の高さに不満があれば、割引や自治体の補助金がないか確認する。焦らず1項目ずつ支出を減らしていくことを諦めないで」。
13. 苦手な手続きは家族の手を借りる
格安スマホへの乗り換えや光熱費の見直し、介護に向けた住宅のリフォームのための補助金申請など、家計にプラスだとわかっていても手続きがおっくう……というときは「苦手な分野は夫や子どもなど、家族に頼って手伝ってもらっては? 節約ができるのにやらないのはもったいないです!」。
14. 確定申告で還付金を受け取る
「個人年金保険の積み立てによる年金に課税された源泉徴収分や、薬局で買った“セルフメディケーション税制”対象の薬代は、確定申告で一部還付される可能性があります」。総額数万円が戻ってくることも。今は会社勤めの人も“退職後は確定申告をしたほうがいい”と心に留めておくこと。
教えてくれたのは風呂内亜矢さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFPR認定者。テレビ、雑誌などのメディアのほか、自身のYouTubeチャンネル「FUROUCHI vlog」で日常の記録に交えて、わかりやすくお金の情報を発信する。