南極で得た知恵と工夫が生きる食材使い切りのワザ7
買い足しができない南極の生活。わずかな食材も無駄にせず、徹底的に食材を使い倒す工夫を重ねてきた渡貫さん。
「“これ何に使えるかな”と考えて、余すことなく食べ切れたら、すごく楽しい。実験のようにいろいろ試してみて」(渡貫さん、以下同)
ワザ1:「今日は買い物しない」と決めて夕飯を作る
新たに食材を買いに行く前に、冷蔵庫内の食材で、何か一品できないかを考えて献立のメモを。
「メニューが思いつかないときは、ネットで使いたい食材を入力してレシピ検索すると、在庫を消費しやすいです。“今日は買い物はしない”と覚悟を決めて、冷蔵庫の中身を一掃する日をつくると、意外に使える食材が出てきます(笑)」
ワザ2:賞味期限は大きく書き記しておく
たとえ賞味期限が切れた食品もニオイや色の変化がなければ食べるには支障がないということを南極で十分に経験してきた渡貫さん。
「とはいえ、賞味期限前に使うのが一番。特に乾物など賞味期限が長いために見逃しがちなものは、パッと見てわかるよう、袋の表面にペンで記入しています」
ワザ3:スーパーで見切り品からチェックする
「自分が1つ使って、廃棄を1つ減らしたい」という思いから、スーパーに行くと最初に向かうのは“見切り品コーナー”。
「恥ずかしいなと思う人もいるかもしれませんが、食品ロスを減らすための大事な行動だと思います。献立が決まらない時は、見切り品を起点にメニューを考えるのもおすすめです」
ワザ4:肉を冷凍するときは、必ず用途を書く
「“いつか使う”“とりあえず冷凍”と思って漠然と保存したものは、出番なく冷凍庫の底に埋もれてしまいがち。食材を冷凍するときは、必ず使い道を決めて記入することで、意識的に使えるようになります」
“豚汁用”“○○と煮る”など、具体的に書いておけば、献立を考えるときも役に立つ。
ワザ5:具だけでなく“液体”までも使い倒す
市販の漬物などに入っている“味つきの液体”も捨てるのはもったいない!
「例えば白菜漬けの液体は、スープを作るときに加えると美味しいです。液の味が濃いめの場合は、別の野菜を入れて浅漬けを作ってみるのもいいですし、ごま油やオリーブオイル、お好みで酢を足せばドレッシングが作れます」
ワザ6:2週間で冷蔵庫内の食材の使い切りを意識
冷蔵・冷凍庫の中は、常に自分が把握できる程度の量でキープし、2週間以上庫内に“居座る”食品がないように心がける。
「大量にまとめ買いをして上手にスタッキングして使い切る人もいますが、まねするのは難しい。自分でコントロールできる食品の量を知ることは重要です」
タレやワサビなどの小袋はまとめて置いておく場所を作り、ある程度たまったら使うクセづけを。
ワザ7:葉物の硬い部分は刻んで乾燥させ活用
「キャベツの外葉や芯、ブロッコリーの茎、大根の皮など、野菜の硬い部分は乾燥させれば、風味も食感もよくなるので食べやすくなります」
乾燥作業は簡単。適当な大きさに切り、ざるなどに広げて2週間ほど室内で干すだけ。常温で1か月ほど保存ができる。
「乾燥させた数種類の野菜をトマト缶と一緒に煮込んでパスタソースやスープにすれば、“野菜くず”が豪華な一品になります」