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2010年。毎年発表される新語・流行語大賞に、当時は聞き慣れない言葉がノミネートされたことを覚えているだろうか。
「断捨離」である─。
断捨離を提唱した、やましたひでこ
'09年に『新・片づけ術 断捨離』という単行本が大ヒット。「断捨離」はテレビ・新聞・雑誌などで注目され、瞬く間に世間に浸透し、流行語というよりも一般的なワードとして広まったのだ。
「うちも断捨離しなきゃね」
「私、趣味は断捨離です」
この「断捨離」は、1人の女性が提唱した言葉だった。
やましたひでこさん─。
「断捨離」とは、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得て、日常の「片づけ」に落とし込み、応用させた、やましたさん独自の「自己探訪メソッド」だった。
つまり、「断」とは「入ってくる要らないモノを断つ」、「捨」とは「家にはびこる要らないモノを捨てる」、「離」とは「いろいろな執着の心が解放される」ことなのだ。
断捨離は、人生を有機的に機能させる「行動哲学」と位置づけ、空間を新陳代謝させながら新たな思考と行動を促す提案である。
やましたさんは、'09年の「断捨離」の単行本をはじめ、国内だけで60冊ほどのシリーズ本を手がけた。さらにやましたさんの著書はアジア各国、ヨーロッパ各国において30か国語に翻訳され、国内外で累計700万部を超えるセールスを記録している。