「生活の枠」を決めてパートナーと共有を

 山崎さんも夫の定年を前に大まかな家計の流れを共有し、「定年後、わが家は1か月これくらいで生活していけばいい感じよね」という金銭感覚を確認。

 予算は夫も見える場所に貼り、枠から出ないように暮らす。食費は副食物、主食、調味料に分けて計算している。

 4つ目は、お金と時間と同じく両輪で考えなければならない“お金と健康”。

 身体を気遣い、医療費を抑える努力も家計に大きなプラスとなる。例えば、山崎家では、健康を考え、週に1度、地元農家から無農薬野菜を買うことをルーティンにしている。

「買った野菜はその日のうちに下処理をして冷凍したり、漬物にするなどし、フードロスがないようにしています。それに、切ったりゆでたりして冷凍保存しておけば、使いやすいから料理をする気力がそがれません。

 毎日たっぷり野菜が採れて健康的なのはもちろん、スーパーのお惣菜やお弁当に頼る機会が減り、それも節約につながっています」

 日常のちょっとした健康づくりも大切に。脳への刺激を高めるために、ランニングマシンではなく外を散歩し、スマホやパソコンだけでなく積極的に字を書くことを心がけている。

 “保険に入っているから大丈夫”と、不健康な生活をしていては、明るい老後は過ごせないのだ。