体調を崩した「本当の原因」
澤井:グラビアやバラエティーで、かなりご多忙だったと思うのですが、覚えていらっしゃるエピソードはありますか?
山田:野田さんが仕事をダブルブッキングさせることも結構あったんですよ。会長とマネージャーの伝達がうまくいってなくて、ヘリで移動させられたこともあります(笑)。私は高いところが苦手だから、グロッキーな状態で現場に到着したことも。逆に、現場に行ったら「今日はまりやさん仕事入ってないですよ」ってスタッフさんから言われて帰らされたりとか。そんな感じだったので、マネージャーのほうが体力や精神的に保たなくて、15人くらい代わりましたね。
澤井:舞台が1つのターニングポイントになったとも伺っています。忙しい中で大御所俳優さんたちとの舞台はどんな感じだったのでしょうか?
山田:森光子さんがテレビで私のことを見てくださったらしく、「まりやちゃんの声、いいね。舞台で通るわよ」とおっしゃってくださって。演技が上手い方と共演すると、こちらは芝居しなくても世界観にトンッて入れてもらえるんです。ただ、私はいきなり上手い人と共演しちゃったから、その後苦労しましたね。泉ピン子さんからも「あんた、最高峰のところで初舞台踏んでるんだから、あとで苦労するわよ」って言われたのですが、本当にその通りでした。
でも、ピン子さんもそうですけど、香川照之さんのお母さんの浜木綿子さんたちからも可愛がって頂きました。だから二十歳でお酒を飲めるようになって皆さんと飲みに行けることが嬉しかったです。女優たるもの、桃井かおりさんみたいな感じでタバコを吸えないとダメだと思って吸い始めたこともありました(笑)
澤井:ただ、ご家族のためにハードスケジュールをこなして倒れてしまったとか……。実は僕も一時期、体調を崩した時期があって、今は自分がやれる範囲でやっている感じなんです。そのあたりのことも勉強できたらって思います。
山田:勉強なんてそんな……。でも、そう言って頂けると嬉しいです。当時はいろいろと重なって、体から「一回休んで」ってなったのだと思います。熱が40度以上出て、ガタガタ震えて、盲腸の手術もしたけど胃腸は良くならなくて……。
私の場合は食べ過ぎで消化不良を起こしていて、お医者さんからは「154センチしかない小さい体にものすごい量の食べ物を入れているんだよ。今は食文化がどんどん進化して、日本にいながら色々なものが食べられる。まりやの場合は、食文化の進化に消化の機能が追いついていない」って言われたんです。運動も舞台をやっているときしか動けなくて、体がだるくて睡眠の質も悪くなっていって。結果的に血液も酸化してドロドロになっちゃったんです。