薬で悩む前に薬に頼らない生活を

 実は、の質だけでなく、流通面でも問題が起きている、と岡田先生。

「3年前から、新、ジェネリック医品共に不足が続いています。先述のジェネリック医品メーカーの不祥事による製造停止だけでなく、コロナ禍やウクライナ侵攻の影響で原材料の輸入が大幅に滞っているのです。特にジェネリック医品は7割ほどがインドや中国の工場で作られていたり、原材料の輸入に頼っていたりするので、大きなダメージを受けています」

 新かジェネリックかを選ぶ以前に、そもそも“が手に入りにくい状況”に陥っているのだ。そして岡田先生は「これを機にとの関係を見直してほしい」と話す。

「現代人はをのみすぎている、と指摘されており、私も臨床の現場でそれを実感しています。当然、の服用が必要な疾患もありますが、人によっては身体の負担になっているケースも。特に高血圧のような生活習慣病は、食事療法や運動の習慣化で快方に向かう可能性が十分にあります。主治医との相談は必須ですが、生活習慣を改善してに頼らない生活を送ることも諦めないでください」

 健康的な日々は、何にも勝る“特効”なのだ。

お話を伺ったのは…岡田正彦先生

医学博士。1972年、新潟大学医学部を卒業。2012年より同大名誉教授。予防医療学を専門とし、長年、品やがん検診に関する捏造データの科学的検証を行う。『医者が教える「家族に飲ませない」』(PHP)など、著書多数。

取材・文/大貫未来(清談社)