難聴には他にもこんな病気が!
突発性難聴と似た症状に、低い音が聞こえづらくなる低音障害型感音難聴がある。
「突発性難聴は再発することがない(もう片方の耳が突発性難聴になることもある)のと比べて、低音障害型感音難聴は何度も再発し、そのたびに聴力が落ちたり、まれにメニエール病になる方もいます。また耳の中にできた聴神経腫瘍が難聴の原因になる場合もあります」
さらに、重いものを持って力んだとき、鼻を強くかむ、くしゃみが出ないように我慢するなどした際に、リンパ液で満たされている内耳の境にある正円窓と卵円窓のどちらか、もしくは2つともが破裂してリンパ液が漏れてしまうことが。
この際もしつこいふらつきが続き、時間がたつごとに聴力がゆっくりと落ちていくというケースもある。
「耳の聞こえ方がおかしいな、普段と違うな、という“気づき”を日頃から大切にして、違和感があればすぐに耳鼻科へ行ってください」
不足しがち!マグネシウムを多く含む食品
和食食材に非常に多く含まれるマグネシウム。食の欧米化により、昨今マグネシウム不足でストレスに弱くなり、これが突発性難聴のきっかけになるとも。
「東京慈恵会医科大学の横田教授が、マグネシウムを多く含んだ食材の頭文字をとって“そばのひ孫と孫は(わ)優しい子かい? 納得!”との標語を作っています。これを覚えて積極的にとってみましょう」
そば ばなな のり ひじき まめ ごこく とうふ まっちゃ ごま わかめ やさい さかな しいたけ いちじく こんぶ かき いも なっとう とうもろこし くるみ
お話を伺ったのは……JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長 石井正則先生●医学博士。日本耳鼻咽喉科学会代議員、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士医学審査会委員。ヨガインストラクター資格も持つ。著書に『ストレスマネジメントでめまい・耳鳴り・難聴を自分で治す本』(二見書房)、『自律神経が元気になる 30秒筋膜プリプリ体操』(学研)など。