子どもたちと一緒に定番の味も成長中

 実際、お子さんたちが成長するにつれ、谷原さんが作るいつもの味も少しずつ変化。

 フライドポテトや鶏のから揚げといった“ボリューム満点&茶色”の料理を好む傾向はありつつも、思春期を迎えた子を中心に、少しずつ野菜中心のさっぱり&ヘルシーな味が喜ばれることも増えている。

 また、これまではお子さんたちに合わせて甘口に仕上げてきたという「バターチキンカレー」も、最近は中辛に辛みをアップ。少しずつ“大人の味”へと近づきつつある。

「もう何年も“もっと辛いカレーを作りたい!”と思い続けてきましたが、実現する日も近いかもしれませんね」

 もう一つ、最近になって“ちょっと大人の味”へと変化したのが、お子さんたちから圧倒的支持を集めている人気メニュー「タコライス」。

 さっぱりとした味わいに仕上げるため、隠し味としてしょうゆや酢をプラスする谷原家のタコライスは、タコミートにチリパウダーを加えてピリ辛テイストへとチェンジ。少し大人の味になった今も、お子さんたちからは不動の人気を博しているという。

 ただ、大人の味を好むようになっても、やはり一番人気なのは茶色いガッツリ系のメニュー。野菜不足にならないかが課題だそう。

「茶色のメニューを作る時は、同時にいかに野菜を食べてもらうかを考えます。野菜を食べてくれない子もいるので、焼いたり肉をのせたり、少しでもたくさん食べてもらえるよう、あれこれ工夫しています」

 実は谷原さんや奥様は、野菜をふんだんに使ったメニューが大好き。毎日のメニューに季節野菜や冷蔵庫にある野菜を使ったサラダは必ず加えるようにしているのだとか。

 ドレッシングは、手作りが多いそう。オリーブオイルや粒マスタードなどの調味料を使い、その日の気分や内容に合わせてサッと準備。

「メニューに合わせて野菜を最適なサイズや形に切ったり、じっくり焼いて焼き目をつけたり……。テーブルに運ぶ直前にドレッシングをまとわせることで、美味しさが格段にアップしますよ!」

 サラダの中でも、特に家族全員から人気なのが、旬のカツオで作ったツナをたっぷりのせた「自家製ツナサラダ」。

 サクで購入したカツオを保存袋に入れ、湯せんしてツナを作り、ハーブをきかせたサラダにすれば、野菜が苦手なお子さんもひと口食べて思わずうなるほどの美味しさ。火を入れても身がかたくならない魚であれば、簡単に作れるという。

「最初に塩をかけ、水分を抜いておくと魚の臭みが取れます。ハーブはお好みですが、ローズマリーはあったほうが美味しく仕上がりますよ」

タコライス

 隠し味にしょうゆとお酢を使えばさっぱりとした味わいに

タコライス「隠し味にしょうゆとお酢を使えばさっぱりとした味わいに」 写真/横田裕美子(STUDIO BANBAN)
タコライス「隠し味にしょうゆとお酢を使えばさっぱりとした味わいに」 写真/横田裕美子(STUDIO BANBAN)
【写真】子どもに人気の“ボリューム満点&茶色”のポテトを作る谷原章介さん

材料(4人分)
・合びき肉……360g
・玉ねぎ(タコミート用)……150g
・にんにく……1片
・オリーブオイル……大さじ1
 A〔チリパウダー……小さじ1/3~1/2(辛さはお好みで)、ケチャップ……大さじ2、砂糖……小さじ2、ソース(中濃でもウスターでも可)……大さじ2、しょうゆ……小さじ2〕
・トマト(大)……1個
 B〔白ワインビネガー(酢でも可)……小さじ2、オリーブオイル……大さじ1、砂糖……小さじ1/2、塩……少々〕
・レタス……1/2個
・玉ねぎ(トッピング用)……100g
・細切りチーズ(生食用)……適宜
・ごはん……4人分

《下ごしらえ》
(1)玉ねぎ(タコミート用、トッピング用)はどちらもみじん切りにし、トッピング用の玉ねぎは水にさらす。
(2)トマトは1cm角に切り、レタスは太めのせん切りにする。にんにくはみじん切りにする。
(3)Bの調味料を合わせておく。

【作り方】

(1)フライパンににんにくとオリーブオイルを入れて弱火で炒め、香りが出てきたら玉ねぎ(タコミート用)と合びき肉を入れて中火で炒める。

(2)Aの調味料を加えてほぐし炒める。

(3)トマトは合わせたBであえる。玉ねぎ(トッピング用)は水けをきる。

(4)器にごはんを盛り、レタス、(2)のタコミート、(3)、チーズをのせる。