沖縄付近はいま、空前絶後の大型台風「台風6号」に見舞われている。最大瞬間風速が60メートルと極めて強力なうえに、大陸に進むと思いきや再び沖縄地方に進路を変え、九州・四国・本州へ進むと考えられている異例の“迷走台風”だ。8月3日時点で、那覇市や久米島など、県内で30%以上の世帯で停電の被害が出たほか、数十人の死傷者を出している。
台風6号が沖縄付近に長期間とどまっている影響で、飛行機が連日欠航。県民だけでなく甲子園出場予定の生徒や旅行客にも自然の脅威が迫る。実は、『週刊女性PRIME』の記者である筆者(関東在住)も、プライベートで15年ぶりの沖縄旅行中に行っており、見事に“帰宅難民”となっていた……。
「非常食の確保を」コンビニ、スーパーも品薄で
【7月31日】
数日間、家族と沖縄の離島・久米島を楽しんだ筆者は、午前10時50分久米島発の便(JTA;日本トランスオーシャン航空)に乗り、11時30分に那覇空港へ。午後の発着便は続々欠航が決定していたので、間一髪で沖縄本島に移動できた。
しかし、もともと翌日の8月1日に那覇から羽田空港に帰る予定だったものの、すでに欠航が決定していた。追加料金もかからず、別日に変更手続きができるとのことだったので、いざ手続きしようと思った矢先、まさかのシステムトラブルでネットでは変更ができず。直接窓口に行くよう指示があったので那覇空港の窓口を見ると、すでに長蛇の列が…。空港スタッフによると、
「欠航がきまっていたので、朝の6時ごろから変更手続きの行列ができていました。列に並びながら、欠航で帰れない事情を電話で説明している方々も多数見受けられましたよ」
「空港だけでなく、ホテルでも同様に混雑が予想されるので、二手に分かれられるなら別々で対応した方がいいかもしれません」
そこで我々は“航空券の予約変更手続きをする組”と“ホテルのチェックインをする組”に分かれ、筆者はもともと予約していた某大手ホテルAへ。するとロビーもすでに帰宅難民でごった返しており、チェックインのためだけに整理券を配る始末。
「ほとんどのお客様が延泊を希望しており、お一人お一人の手続きに時間がかかってしまっている状況です」
特別に解放されたホテル内のレストランでウェルカムドリンクを飲みながら待つこと約2時間、やっと呼ばれて手続き完了。フロントのスタッフに延泊も希望する旨を伝えると、
「帰宅する便が決まり、延泊分を予約サイトで予約できましたら、フロントにお越しください。引き続き、同じお部屋をとることができます」
とのこと。また、来たる台風に備えてやるべきことを尋ねると、
「近くのスーパーやコンビニに買い出しに行き非常食の確保をしたほうがいいですよ。売り切れないうちになるべく早く。ホテルでもお食事をご用意しておりますが、食材が限られているため、なくなり次第終了となってしまいます。
一度上陸すると、いつ外に出られるようになるか分かりませんからね。沖縄の台風は関東の台風とは違ってかなりパワフルで、軽自動車も吹き飛ばす勢いのものも少なくないんですよ」
スタッフの口調からも、いかに非常事態かがうかがえる。これはれっきとした災害なんだ……。ビビり散らかした筆者は、まずホテル内のコンビニへ直行。しかし時すでに遅しで、おにぎりやホットスナック、冷凍食品やカップ麺などの棚はすでに品切れ状態。逆に、文房具やアルコール飲料など、非常時にさほど必要なさそうなものは残っていた。
仕方なく、近所のスーパーへ。県民・旅行者で溢れた店内では、食料の取り合いになっており、レジには長蛇の列。ここでもやはり、ごはん・カレーなどのレトルト食品、カップ麺や飲み物が品薄になっていた。
雨と風が強くなってきた17時。なんとか3、4日分の食材をゲットできた筆者は、「空港にいる組」に状況を確認したところ、まだ時間がかかるとのこと。
やっと変更手続きが終了したと連絡が入ったのは19時すぎで、並び始めてからなんと6時間が経過。結局、取れた便は8月5日の最終便だった。4日分の延泊を急いで予約し、フロントに連絡。宿泊費1人につきプラス5万円の出費は痛かったが、一件落着。とても長い一日だった……。