マンモが基本。可能なら超音波も+
もし痛みが治まらないときは何科に行けばいいだろうか。
「乳腺外科です。マンモグラフィ検査や超音波検査ができる乳腺専門のクリニックを受診しましょう。クリニックの選び方は、日本乳癌学会が認定する乳腺専門医や認定医がいるところがいいでしょう。
大きな病院と連携があるクリニックは、症例数も多く、選ぶポイントになります。提携病院があるとより安心です」
基本的に問診のあと、検査を行うという流れになる。
「マンモグラフィと超音波の2つの画像検査を受けることで、乳がんの早期発見につながります。腫瘍が小さく、乳腺と重なっている場合には、マンモグラフィ検査の画像だけだと見えないことがあるからです」
実際、2つの検査を受けたことで早期に手術ができたケースも多い。
「検査でがんが疑われると、組織検査など次の精密検査へ進みます。膿による痛みや腫れがひどい場合は、鎮痛剤や抗菌薬を投与し、膿が多い場合は切開することもあります」
気になる触診や視診は?
「乳頭や乳輪に治りにくい湿疹がある、乳房にしこりやひきつれがあるなど患者さんから症状の訴えがあった場合には行います。2つの画像検査を行った上で、必要に応じて、視診と触診という流れになります」
乳房痛での受診は、ほとんどが乳腺症だとか。
「悪性腫瘍であるケースは少なく、検査画像を詳しく説明すると皆さん安心されます」
乳房痛で不安にならないためにも、乳がん検診を定期的に受けることが大切だ。
教えてくれたのは……榊原淳太先生●乳腺外科医。医学博士。千葉大学医学部附属病院乳腺外科に勤務。日本乳癌学会乳腺専門医、マンモグラフィ読影医(評価AS)、日本外科学会外科専門医などの資格も持つ。学会の受賞歴も多数。
(取材・文・イラスト/ますみかん)