一般社団法人全国スーパーマーケット協会「2023年版スーパーマーケット白書」を基に制作
一般社団法人全国スーパーマーケット協会「2023年版スーパーマーケット白書」を基に制作
【画像】スーパーマーケットにおけるセルフレジ設置数の割合

 大胆なものでは、2段式のカートを使って下段のカゴの中は持ち去るという手口も。上のカゴに入っているものだけを読み取って精算し、下のカゴはスルー。丸ごと盗んでしまうのだ。

フリマアプリで現金化するケースも

「上のカゴには大きくて安い野菜や水を入れて、下のカゴには高い食品や化粧品が入っていたりしますから、私が見ればすぐに万引きだとわかります。でも、『うっかり精算し忘れたんだ』など、どうとでも言い逃れができます」

 ほかにも、「読み取りがうまくいかなかった」「操作がわからなかった」などなど。なんとも摘発しにくい現状がある。

新しい精算方法が導入されれば、必ずそれをかいくぐる新しい手口が生まれてくるんです

 では、いったいどんな人が手を染めているのだろう。

「外国の万引き窃盗団など、大規模なグループ犯罪もありますが、コロナ禍以来、生活苦の主婦、シングルマザー、高齢者が多くなりました。職を失って追い詰められ、ほんのちょっとした贅沢やゆとりを求めて盗んでしまうのです」

 食うに困るほど切実ではないけれど、生活はきつく、贅沢品を買う余裕はない。そんな人たちが、気持ちが豊かになるちょっといい化粧品やシャンプーを盗んだり、ふだんは食べられない和牛やお刺身といった高級食材を万引きしてしまうのだ。

 また、自分で消費するだけでなく、売って現金化するために万引きしている場合も少なくない。

今はフリマアプリなどで、匿名で簡単に売って現金にできる。一般人が、新品の商品をなぜ販売できるのか、考えてみたらおかしいでしょう?

 生活に身近なフリマアプリ。安くて便利という理由で利用者は多いが、もしかすると“ワケあり品”が隠れているかもしれないのだ。