補償ゼロ「売りっぱなし」状態
使用されているバッテリーはリチウムイオン電池。スマホやPC、電気自動車など用途は幅広いものだが……。
「A社の走るスーツケースのバッテリーはとにかく取り外しにくい。外すときにコネクターから煙が出たこともあると聞きました。ヘタすると燃えますよ」
数か月前にも、中国製の非純正品のバッテリーを入れた電動アシスト自転車が新宿の交差点で爆発する事故が起こった。こういった商品を購入した場合のアフターサービスはどうなっているのか。
「ありませんよ。まったくの売りっぱなし。まるでA社であるかのような売り文句でクラウドファンディングを募る中国の販売会社がありますが、サポートセンターの連絡先もなく、メールで問い合わせを送っても変な日本語の返信があるだけでお手上げだと聞きます。A社商品を扱う多くのネットショップも同様で、どこも補償していない状態です」
A社では、乗れるスーツケースのほかに、AIで持ち主を自動追尾するスーツケースも販売している。
「あれは性能に問題があって、持ち主の足を踏んだりする(笑)。センサーが問題なのか、ぐるぐる1か所を回ったり、カクカクとスムーズじゃない動きをしたり。まあ、そういう程度のものです」
スーツケースは未来を先取りせず、今までどおりに手で引いて使うのがよさそうだ。
取材・文/ガンガーラ田津美