体操で骨格を整え身長が伸びる身体に

「施術で背が高くなっても、ある程度の時間が経過すると元に戻ってしまうため、その状態をキープするのが難しい。そこで、ポイントとなるのは筋肉だと考えました」

 筋肉が硬く萎縮していると、骨が引っ張られてゆがんでしまう。高林さんは硬くなりやすい筋肉を伸ばしつつ、全身の骨格を矯正する6つの体操を考案し、38人に試してもらった。

実際の身長より低くなってしまう猫背。常態化すると、背骨の骨と骨の間にある椎間板が圧迫され、痛みが出ることも※写真はイメージです
実際の身長より低くなってしまう猫背。常態化すると、背骨の骨と骨の間にある椎間板が圧迫され、痛みが出ることも※写真はイメージです
【イラスト】大人にも効果がある「身長伸ばし体操」のやり方

 O脚が悪化し、恥ずかしくてスカートがはけなかった女性S・Aさん(46歳)もその一人だ。猫背もひどく、胸を張ると背中が痛くなっていた。

「半信半疑ながら家で実践していたところ、猫背とO脚が改善し、身長が5cmも伸びたんです。おかげで満員電車に乗っても埋もれなくなりました(笑)。いつもはいていたズボンの裾が短くなっているので、脚が長くなっているかも」(S・Aさん)

 中学生から約30年間、ずっと155cmだったが、たった1か月で、160cmになったというのだ。1か月続けたほかの実践者も全員、平均約1cm身長が伸びていた。これは11歳の子どもにも有効だった。

「この体操には筋肉だけでなく、関節の動きをよくする効果があります。身体を動かして全身の代謝をよくすれば、関節の“潤滑油”となる関節液の分泌が促されます」(高林さん、以下同)

 関節液とは、関節を保護、維持するための液体で関節内を満たしている。

「代謝が悪いと関節液が十分につくられず、関節の動きが悪くなります。運動を行っても十分に筋肉を伸ばすことができず、骨格の改善も期待できません」

 関節液は軟骨芽細胞に栄養を与える重要な存在だ。特に子どもは成長期に十分に関節液を出すような生活をすると、みるみる背が伸びていく。

「身体のゆがみが改善されるので、O脚だけでなく、腰痛、ひざ痛などの不調やポッコリお腹の改善も期待できます」

 また、背中が丸まっていた80代の女性も、体操を1か月続け、身長が0.7cm伸びた。

「姿勢を保つ筋肉が弱くなる高齢者の健康維持にも役立つと考えています」

 今回は高林さんが考案した6つの体操の中から実践しやすい3つをご紹介する。

「いちばんのポイントは毎日続けること。全部行っても1分もかからないので、最低1日1回は続けてみてください。時間帯としては朝、行うのがもっとも効果的です。自然に呼吸をし、リラックスしながら行いましょう」

 定期的に身長を測定すると、モチベーションも上がるのでぜひ実践してみて。