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7月14日から始まったハリウッドの俳優組合(正式名称:映画俳優組合―米国テレビ・ラジオ芸能人組合)のストライキが、長引いている。
日本ではスト開始直後に予定されていたトム・クルーズ主演の新作映画での来日PRが果たされず、嘆いたファンも多かっただろう。この俳優組合によるストは43年ぶり。先駆けて始まった全米脚本家組合との同時ストは63年ぶりとなる。この大規模ストはいつまで続くのか。映画ライターのよしひろまさみちさんに話を聞いた。
ストライキは「絶対に必要」
「5月から始まっていた脚本家組合のストが先日ようやく暫定合意に至り、解除しました。170日間止まっていたハリウッドが急に動き出した状態です。俳優組合のストもここから弾みをつけて、大きく進展する可能性があります。うまくいけば年内。11月のサンクスギビング(アメリカの大型連休)までに決着する兆しも見えてきました」
脚本家組合のスト解除で、やっと交渉のテーブルが用意された俳優組合のストライキ。だが、そもそも庶民からするとハリウッド俳優の暮らしは優雅に思える。ストは本当に必要だった?
「絶対に必要です。出演ギャラのみで暮らせる俳優はごく一部。本来、映画はテレビ放映やビデオが販売されるたび、俳優側に再使用の印税が支払われるもの。でも今は定額制ストリーミング映像配信サービスの時代。大手のネットフリックスやアマゾン、ディズニープラスなどのIT企業はその常識を持たないので俳優に印税を支払わないんですよ」(よしひろさん、以下同)