抗がん食材はスープがおすすめ
本記事で紹介している抗がん効果のある食材は、できたら毎日、継続して食べたい。そこで、佐藤先生がおすすめする調理の仕方がスープだ。
「野菜などは煮るとかさが減るので、生で食べるよりも多くの量や種類を食べることができます。また、なかには調理すると水に溶け出てしまう栄養素もありますが、汁物なら余すことなくとることができるのもスープのいいところです」
さらに、スープは誰でも簡単に温め直せるため、作り置きが可能なのも、忙しい人にはうれしいところ。
抗がん食材は調理の仕方だけでなく、選び方や保存にもコツが。
例えばブロッコリーなら、スーパーの冷凍コーナーに小房に分かれた冷凍品が売っている。きのこも、しめじやえのきなど数種類をほぐしてジッパー付きの保存袋に入れて冷凍しておけば、汁物にいつでも手軽に入れることができる。
冷凍保存などを上手に活用してラクしてがんに勝とう!
抗がん効果たっぷり!最強食材
1.ブロッコリー
「ブロッコリーは強い抗酸化作用を持つアブラナ科の野菜。特にブロッコリーの芽であるブロッコリースプラウトは、100gあたり1000~2000mgという断トツのスルフォラファンを含んでおり、最強の抗がん野菜として注目を集めています。
タバコを吸わない男性に対する研究では、アブラナ科野菜の摂取量が多い人ほど肺がんになりにくいという結果や、閉経前の女性はアブラナ科の野菜の摂取量が多いほど乳がんになりにくいという報告もあります」(佐藤先生、以下同)
2.きのこ
免疫力を高めるβグルカンの作用に期待!
「秋が旬のきのこ類に含まれるβグルカンは、免疫力を高める働きがあり、がんなどさまざまな病気の予防に効果的です。
きのこの摂取量とがんの発症率についての複数の研究で、最もきのこを多く食べていたグループはリスクが34%低下していました。きのこを食べるほどがんのリスクが下がり、特に胃がんや乳がんの予防に効果的です。
なお、きのこ類の特定の成分を含むサプリメントが“がんに効く”という証拠はないため、きのこそのものを食べましょう」
3.脂ののった魚
オメガ3脂肪酸の抗炎症作用ががんに効果あり!
「さば、いわしなどの脂ののった魚には、身体にいい脂質であるオメガ3脂肪酸が豊富です。オメガ3脂肪酸は、がんの原因や進行の要因になる炎症を抑える働きがあり、がんリスクの低下に効果的。
魚の摂取とがんの関係についての研究では、海洋性オメガ3脂肪酸の摂取量が最も多い人は、最も少ない人に比べて乳がんのリスクが14%減少、肺がんが21%減少、膵臓がんでは30%減少したという結果もあります。缶詰でも効果があるので、ぜひどうぞ」