'24年の大河ドラマ『光る君へ』がいよいよ1月7日、スタートした。
主演は吉高由里子。『源氏物語』の作者である紫式部(役柄名・まひろ)を演じる。その“ソウルメート”の藤原道長役には柄本佑。平安時代は戦乱のほとんどない雅やかな世の中。歴史の授業でもさらっと流されてきた。どんな物語になるのか? 脚本を手がける大石静に見どころ&魅力を尋ねた。
脚本家・大石静に聞いた『光る君へ』の見どころ&魅力
第1回は子役での展開、本役(吉高由里子、柄本佑)は第2回から登場する。
「このふたりは、最後まで赤い糸&因縁で結ばれていくんですが、ラブラブな話ばかりではありません。藤原三兄弟の骨肉の出世争い、道長の父・兼家による一か八かのクーデター、一条天皇即位時の高御座の生首など、生々しい権謀術数、男の政の世界がたくさん出てまいります」
大石は、平安時代の男女関係についても触れていきたいと意気込む。
「そこはかとなく漂うエロスの雰囲気は出したいと考えています。当時、天皇が子孫を残すことは政と同じぐらい大事なこと。性的行動が間近にあるんです。もちろん、お子さんも見られるように作ってありますし、胸キュンシーンもいっぱいあります」
『源氏物語』執筆以前の紫式部の資料は、ほぼ現存しないという。
「幼き日に母を亡くし、貧しい暮らしだったらしいんです。そんなところから、生きることは不条理に苛まれていくことだと知ってしまった女の子です。そんな沸々としたものが文学者としての萌芽であって、“それを表現してみたい”“私の使命は何なのか”と考えるようになっていく。知的レベルの高い女性だと思います」
まひろという役柄名を含め、脚本はオリジナルだ。
「何が本当かはわからないけど、私は“きっとこうだっただろう”と思うことを描きたい。紫式部という文学者は権力批判の考え方の強い人。
『源氏物語』は男女が寝たり起きたり……という印象かもしれませんが、そうではなく、その行間に彼女が込めた深い人生哲学があることを描きたいですね」