ずさんなメーカーも!【ジェネリック薬】
独占的に製造、販売する特許が切れた薬を別の製薬会社が作るジェネリック薬。効果や安全性は変わらず、価格が安くなるため広く使われ、現在では処方薬の8割がジェネリック薬になっている。
また2024年10月からは特許が切れたもとの薬を希望する患者の窓口負担額が増えることが決まり、ジェネリック薬がますます普及すると見られている。
しかし近年、複数の製薬会社で異成分の混入や虚偽の検査など、ジェネリック薬に関する不正が相次いで発覚。同じ薬を販売するほかの製薬会社に注文が殺到し、品切れが続出して、2022年にはジェネリック薬のおよそ3割が出荷停止という異常事態に。
そこで自身のクリニックでジェネリック薬の処方を行っている総合診療医の谷口恭先生に事情を聞いた。
「2020年以降、ジェネリック薬を製造する複数の製薬会社で、発がん性物質の混入、眠気を起こす成分の混入などの不正が相次いで発覚しました。
さらに2023年10月には業界シェア1位の沢井製薬も、8年にわたって不正な方法で品質検査を行っていたことが発覚したのです。同社が九州の工場で製造する胃腸薬『サワイ』の薬剤を別のカプセルに詰め替えて検査するという信じ難い不正です」
こうした不祥事で薬の品薄状態が続くと、患者さんにも大きな影響が出るという。
「いくら安くて優れた製品でも、品切れを起こすような薬は安心して処方できません。代わりの薬では同じ効果が得られないなど、病状に深刻な影響を及ぼす可能性もあります」(谷口先生、以下同)