ナゼ、ずらせなかった(延期できなかった)のか?
日テレと宮迫に共通しているのは、「ずらせなかった(延期できなかった)のか?」という点。
日テレは、『セクシー田中さん』の社内特別調査チームが事実や原因をきっちり明らかにするまで、『テレビ報道記者』の放送を延期すべきだった。調査がようやく始まったばかりのタイミングで報道に関するドラマを放送されても、「身内のこともろくに報道せずに真相解明もできてないのに……」と、視聴者がモヤモヤするのは火を見るより明らかなのに、そんなこともわからなかったのだろうか。
宮迫も、そんなタイミングで大々的にYouTubeデビューしたら、亮の復帰に水を差すことになるのはわかりきっていたはずなのに、どうして延期しなかったのだろうか。
宮迫の場合、コラボ相手に悪いから時期をずらせなかったとのことだが、それはやはり言い訳にしか聞こえない。関係各所に事情説明して謝罪をしてでも、YouTubeを延期させるのが亮に対する思いやりだろう。要するに、そういった労力をいとわなかったり頭を下げたりすることが“誠意”というわけだ。
宮迫個人のYouTubeチャンネルと、巨大組織である日テレのスペシャルドラマでは、かかわる企業も人員も桁違いの規模だろうから、延期させる労力も桁違いだろうことは想像に難くない。
しかし宮迫の闇営業騒動より、大切な人命が失われてしまった日テレの『セクシー田中さん』問題のほうが、圧倒的に重大だとも感じる。
宮迫のYouTubeよりも日テレのドラマを延期させることのほうが、非常に労力がかかることだろう。しかし、問題の大きさも日テレのほうが甚大なのだから、とてつもなく大変だったとしても、やはり日テレは放送延期の英断を下すべきだったのではないか。
堺屋大地●コラムニスト、ライター、カウンセラー。 現在は『文春オンライン』、『CREA WEB』(文藝春秋)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『日刊SPA!』などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。公式Twitter:https://twitter.com/sakaiyadaichi