リハビリ中のアクシデント

 ただ仕事も多数入っており、すぐに手術は受けられない。ひざをだましだまし過ごし、半年後に手術を受けることになった。手術法は2択。半月板の亀裂を縫う「縫合術」は半月板の機能は保てるが、運動に復帰するまで半年かかる。一方割れた部分を切り取る「切除術」は半月板の機能は制限されるが、3か月で復帰できる見込みだった。「早く仕事を再開したかったので、『切除術で』とお願いしました。ところが、その後、コロナ禍に突入! 仕事が一気に減ってしまい、こんなことなら『縫合術』にすればよかったですよ(苦笑)」

2018年秋ごろから時々ひざに痛みが。「この日は一日安静にしていました」(佐藤弘通さん、写真はインスタグラムより)
2018年秋ごろから時々ひざに痛みが。「この日は一日安静にしていました」(佐藤弘通さん、写真はインスタグラムより)
【写真】「新しい筋肉!?」リハビリ中の“勘違い”アクシデントを乗り越えた佐藤さんの記念写真

 手術後は3日で退院。しばらくは週に1回通院し、理学療法士にリハビリ指導を受けることになるが……。

「そのとき指導されたリハビリが、僕にはゆるすぎるように感じたんですよ。ひざの下にタオルを巻いて、それを上から押すとか、ひざを伸ばして、かかとを少し上げるとか。地味でしょ?(笑) いつコロナの外出制限が解除されるかわからないし、これで仕事再開に間に合うの?って」

 心配になった佐藤さんは自己流でリハビリを開始。スクワットを始め、ジョギングも時間を延ばしていった。ところが、手術から10か月後、左ひざに再び異変が。

「左ひざの裏にポコッと硬い部分ができて、『リハビリで新しい筋肉がついた!』なんて喜んでいたんですよ。ところが病院に行ったら、『これは水がたまっているんですよ』と言われちゃって」

 これは「ベーカー嚢胞」という症状で、ひざを酷使したことが原因で関節を覆う膜に水がたまった状態。そのままでは正座もできず、嚢胞が破れる心配もあるので、たまった水を抜くしかなかった。

「自分では無理しないようにしていたつもりなんですけどね。コロナ禍の前は1年365日中360日仕事をしているような生活だったのに、急に時間ができて、ついやりすぎました。特にひざに衝撃がかかるジョギングは慎重にすべきでしたね」