少額・ハイリターンの「FX」は金利収入で稼ぐ

 最後は外貨投資の「FX」。FXとは外国為替証拠金取引の略称で、ドルなどの通貨を売買し、前述した為替差益を主目的とする金融商品のこと。

投資は通常、手持ち資金内で行うものですよね。FXの場合、証拠金を預け入れることで手持ち資金の何倍もの取引を可能とし、少額資金で取り組めるのが特徴です。儲けも何倍にも膨らみ、ハイリターンを目指せます。

 ただ、通貨の売買で利益を狙うのは非常にハイリスクのため、初心者にはおすすめできません

 伊藤さんは自らその怖さを実感ずみだとか。

「ひと昔前ですが、少額資金でFXに挑戦。ちょうど為替が円安局面を迎え、1日で20万、30万円と口座残高が膨らんでいきました。ところが一晩寝て朝になると口座残高は2万円に。

 急激に円高にふれており、一気に資金が減っていたんです。勉強不足で痛い目に遭いましたね」

 FXには「スワップポイント」と呼ばれる金利収入を得る投資手法もある。為替差益を狙うのではなく、通貨の中長期保有を前提とした取引になるため、FXビギナー向きかもしれないという。

「スワップポイントは、2国間の通貨を売買する際に生じる金利差を指します。高金利通貨を買い、低金利通貨を売って保有する間、スワップポイントを毎日受け取れる仕組みになっています」

 高金利通貨の代表例はアメリカドル(政策金利5.50%)、オーストラリアドル(4.35%)、ニュージーランドドル(5.50%)など。対して低金利通貨の日本円(0.10%)を組み合わせる形だ。

 例えば、FX取引で100万円を米ドルに投資した場合(米ドルを買い、日本円を売った状態。1ドル157円の場合)、スワップポイントは1日約60円入ってくる計算に。

「外貨預金のイメージですがFXの場合、外貨預金より手数料が格段に安いのでお得。手持ち資金以上の取引を低く抑えて行えば、スワップポイントもその分増やせます」

 もちろん、スワップポイントを目的とするFX取引にもリスクはついてまわる。

高金利通貨は値動きが激しいものが少なくありません。日本円とのペアでスワップポイントを積み上げられたとしても、円高に大きくふれて為替差損となれば利益は簡単に吹き飛んでしまいます。高金利通貨選びや為替の値動きには注意が必要です

※本文中の「価」「配当利回り」などの数値は、2024年6月3日の値。利子の計算は税抜き価格です。