家具の位置をズラして電気代を抑える

 部屋に暖かい空気がこもっている状態でエアコンをつけると、余計な電力を消費して電気代が高くつくという。

窓を閉め切っていた帰宅後は、3〜5分程度は窓を開けて換気し、部屋にこもった暖かい空気をまずは外に出しましょう」(伊藤さん、以下同)

 窓とドア、換気扇などの空気の流れがスムーズでないと、換気に時間がかかってしまう。

「空気の流れを良くするには、窓の前にタンスや本棚など背の高い家具を置かないことです。エアコンの風も部屋に行き渡りやすくなり、温度を下げたり風量を上げずとも快適に過ごせて節約になります」

エアコン+扇風機で部屋全体のクールダウン

 夏の消費電力で30%以上を占めているエアコン。1℃上げると10%以上も消費電力を減らせるといわれ、設定温度を上げる人も多いが、温度が高めだと冷房の効果が感じられないことも。そんなときは、扇風機の活用がマストだ。

冷房の冷たい空気は部屋の下のほうにたまるので、足元だけが冷えてしまう人も多いでしょう。かつて主流だったAC(交流)モーター式のものと比べて消費電力が少ないDC(直流)モーターの扇風機を使って、冷たい空気を部屋全体に行き渡らせれば、エアコンの設定温度が30℃であっても十分涼しくなります」(丸山さん)

窓の前や部屋の真ん中に家具などは置かず、エアコンと扇風機のW使いをすれば、暑いのを我慢せずに電気代が抑えられる!※写真はイメージです
窓の前や部屋の真ん中に家具などは置かず、エアコンと扇風機のW使いをすれば、暑いのを我慢せずに電気代が抑えられる!※写真はイメージです
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冷蔵庫の設定温度は変更しないで使用

 冷蔵庫は外気温に合わせて夏は「強」、冬は「弱」に切り替えると節約になる……というのはひと昔前の情報。

「省エネ運転モードがない機種なら有効でも、最近の冷蔵庫に搭載されているエコモードなどの省エネ運転を活用したほうが効率的な節電につながります」(丸山さん)

 ただ、20年近く前の冷蔵庫には省エネ運転機能がついているものは少ない。その場合は、新しい冷蔵庫にするほうが、はるかに電気代がかからないので買い替え時かも!

エアコンを入れるか迷うなら、いったん足を冷やすべし!

 お風呂の残り水など、ふくらはぎが漬かるくらいの水をバケツに入れて足を冷やすことで、体温が下がり、実はエアコンをつけなくても平気なんてことも。熱中症にも効果的な対処法として知られているものだ。

「エアコンが普及する前に、昭和15年生まれの父が猛暑のときにやっていたそう。足は太い血管が通っていて皮膚も薄いので、冷やすことで体温調節ができるのです。実際に試してみると、かなりの効果を実感できます」(伊藤さん)

イラスト/伊藤和人
イラスト/伊藤和人