YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』で登録者数50万人突破、税理士人気ブログ1位。異色の税理士として各メディアで注目を集める菅原由一先生。

 3冊目の著書『タピオカ屋はどこへいったのか?』(KADOKAWA)が発売2か月で5万部のヒットとなっている。儲けのカラクリを知り尽くした脱・税理士の菅原先生に、街の商売の疑問あれこれに答えてもらった!

Q1.動画や音楽の定額課金サービスとして定着したサブスク。最近では、ブランド品レンタルやレストランなども。どうして世の中にサブスクが増えてるの?

「サブスクは、一度契約すると解約するのは抵抗がある。特にお金にカツカツの生活でなければ無理に解約しない人がほとんど。“もしかしたら使うかも”と、ずっと契約し続けてしまう。

 僕なんかも動画配信アプリを6つ入れていますが、本当に見るのは1つか2つ(笑)。生活水準と同じで、一度得たものを手放すのは難しいのです。負け続けの株やギャンブルをやめるのに心理的抵抗を覚えるのも同じメカニズムです。

 そのため、サブスクの離脱率(解約)は非常に少ない。1000円以下のサブスク離脱率はさらに下がります。サブスクというと近年のビジネスモデルのような気がしますが、新聞の定期購読もいわばサブスク。

 毎月の料金は安くても、契約が長期化することで企業の収益が安定します。そのため、グーグル、アマゾンなど、アメリカの巨大企業はサブスクに力を入れてきたのです。私の友人は別荘のサブスクを利用していますし、これからもいろいろな業態で広がるでしょう」(菅原先生、以下同)

最近では別荘などの豪華なサブスクもあるとか
最近では別荘などの豪華なサブスクもあるとか

Q2.商店街でよく見かける、いわゆるオバチャン洋品店。特に安くもオシャレでもなく、さほど繁盛する様子もないが、不思議と潰れない。このオバチャン洋品店はどうしてやっていけるの?

「オバチャン洋品店には、潰れる店もたくさんあります。逆に潰れない店はずっと固定客がいて成り立っている。実は自分の母親も、地元で洋品店をやっていました。地方の洋品店をやっているオバチャンは地元の人脈がスゴイ!

 ほぼその人脈で商売が成り立っているといっても過言ではありません。うちの母親の場合は、噂話に花が咲く洋品店として、町の情報源のような感じになっていました。言い換えると、地域のコミュニティーとして機能していた。服を買う以上に価値ある情報をゲットできる場所だったわけです。

 とはいえ、儲かっていたかといえば、赤字にならない程度。家計のメインの収入があって副収入になるぐらいです。オバチャン洋品店は誰でもできるわけではない。前提条件として、コミュ力が必要。

 僕の事務所のある名古屋の地下街にはポツンポツンとオバチャン洋品店がありますけど、あの地下街全部の人脈を握っていると思っています(笑)。オバチャンにはそういうパワーがある。噂話やネットワークは、ビジネスで大いに強みですね」