「極力自分らしくいることを大事にしようと意識していました。元々、周囲の人たちと皆であたたかい空気を作る方が好きなタイプで、どんな立場や現場でも、前向きに楽しく協力できる場所でありたいという気持ちは変わりません。大先輩方もたくさん出ていらっしゃるので、あまり気負いせず上手に頼らせてもらいながら、自分自身の役割をちゃんと果たしていくように努めていました」
「本来の自分に近いのは弓子」
これまで『探偵が早すぎる』(日本テレビ系)や『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)などで、“悪女”の役を演じることが多かった結城だが、今作で演じた弓子とのギャップに迷うことはなかったと話す。
「これまではキャラの立つ役のオファーをいただくことが多かったのですが、今回演じた弓子はその逆で、表には見せていないけれど、妄想に取り憑かれてしまうほど内側に思いを秘めている人物。本来の自分に近いのは弓子の方だと思っています。
元々、本や映画に没頭するあまり、感情を持っていかれやすい性格なんです。今回の役作りでは、一度頭の中に浮かんだ考えに囚われてしまう弓子の言動に共感できる部分が多く、その感触を素直に演技に落とし込もうと意識していたので、自分の素に近い部分をたくさん出せました」
撮影について「息をつく間もなく時が流れていった」と語る結城。現場での苦労は多かったようで……。
「高橋さんや常盤さんとご一緒に撮影する機会はほとんどなく、私1人のシーンが大半だったので、自分との向き合う時間がすごく長かったなと。他のシーンはどうなっているんだろうっていつも気になっていました。
秋山監督は現場に入ると何も言わないんですよ。事前にしっかり話して現場に入ったらこちらに任せる、という感じで、“これでいいんですか”と不安に思うことも多々ありました。でも、弓子自身繊細な性格をしているし、演じる私も繊細になることって別に間違ってはいないのかなと思うようにしていました」