東京五輪を圧倒的な強さで制した“女王”が、メダルにすら届かずまさかの敗退。日本中に大きな衝撃が走った。
パリ五輪・柔道女子52キロ級で連覇を目指した阿部詩(24)は、2回戦でウズベキスタンのケリディヨロワと対戦。優勢に試合を進めるも残り1分を切ったところで、ケリディヨロワが仕掛けた「谷落とし」で畳に倒れてしまった。
主審がコールした「1本」に、何が起きたのか理解できない表情で呆然と座り込む阿部。なかなか立ち上がることのできない彼女を、喜ぶ様を見せることなく静かに待ち続ける勝者。ようやく「礼」を済ませると、握手を交わして健闘を称えるのだった。
フラフラした足取りで畳を後にするも、頭を下げたまま崩れるように座り込んで号泣する阿部。平野幸秀コーチに抱えられてなんとか歩を進める“女王”に対し、場内からは「UTA!UTA!」と敬意を込めたコールが起きる、感動的なシーンが国際映像で放送された。
そんな熱戦の模様を伝えた、7月29日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に出演し、「競技続けるだけじゃなくて生活もすべて強くなること、勝つことに全部ささげてきている」と慮ったコメンテーターの玉川徹氏。
『めざまし8』(フジテレビ系)でも、橋下徹氏が「このレベルになるとやっぱり勝利至上主義でも当然だと思うし、負けた時にああいうふうになるのは当然だと思う」と、号泣した彼女を理解する姿勢を見せるのだった。
負けるたびにギャーギャー泣くな
常人には計り知れないプレッシャーがかかるであろう、選手たちによる大舞台での試合。SNSでも阿部の姿に感銘を受けた視聴者が多かったようで、試合後の彼女のインスグラムには日本語、さまざまな言語による励ましや労いのコメントが殺到。その一方でーー、
《東京五輪からの3年間何してたんですか?2回戦敗退なら後はパリ観光ですか??》
《負けるたびにギャーギャー泣かないで下さい。》
《タレント気取りで色々やったから、足元掬われるんだよ!チャラチャラしてるんじゃない!》
必死に闘った試合を、積み上げてきたキャリアを嘲笑うかのような心無い声も。またウズベキスタン出身と思われるSNSユーザーからの“煽る”ようなコメントも連投され、それを注意するコメントも相待って荒れ気味の様相ーー。