Web小説家としての一面

「Web小説投稿サイトで自作の小説を公開しているんです。童話や詩なども投稿していますが、サイト内で代表作として紹介されている『国守の愛』という作品は、秘密組織に命を狙われる女性科学者の戦いを描いたSF作品。いわゆる“ライトノベル”というジャンルなんです。ご本人はかなりのアニメ好きらしく、機動戦士ガンダムシリーズや『人狼 JIN-ROH』や『幼女戦記』などマニア向けの作品も愛好していると打ち明けていますから、ラノベを書いたのは、その影響も大きいのかと」(文芸編集者、以下同)

『国守の愛』は1章から3章の合計で212話、文字数の合計は約66万文字と文庫本にすると5〜6冊にもなる長編作品で、2022年に完結を迎えている。

「彼女は今年4月から現在まで『骨の髄まで』という連続小説を連載しています。この作品は大河原組という架空のヤクザ組織の内外の抗争を描かれた、北野武監督の『アウトレイジ』を彷彿させるハードボイルドな作品です

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【写真】「安定の美しさです」小説家としても活動する国生さゆり、57歳の近影

 物語は亡き組長の妻と息子の確執を中心に展開される。

「作品はR-15指定とされており、ヤクザ物らしく濡れ場や残酷な拷問シーンなども描かれています。ストーリーも起伏に飛んでいますが、作中で《金で腐らない奴はいるが、権力と地位と名誉は人を甘露煮にする》《虎でなければ終わる。狡猾なコヨーテでなければ終わる》など、国生さんのハードボイルド観も垣間見えて読み応えも十分です」

 あふれる創作意欲こそ、国生の若々しさの秘訣なのかもしれない。