成長してから癇癪が激しく
しばらくして2人目の子となる長男が生まれたことで、生活は一変する。
「このはが弟に焼きもちを焼いて騒ぐことが増えて。息子が幼稚園に入るまでは、双子を育てているような、てんやわんやの状態でした」
このはさんは肺炎にかかりやすく、15歳くらいまで入退院を繰り返していた。
「それまで基本はおとなしかったのですが、高校くらいから二次性徴が始まり、ホルモンバランスの影響か睡眠障害が出て眠れず、癇癪を起こすことが増えてきたんです」
時に攻撃の矛先を向けられても、両親はこのはさんに共感し、冷静に対応している。
「失敗しながらですが、夫と一緒に娘をよく観察して、気持ちが落ち着く対応策を考えています」
このはさんは特別支援学校を卒業後、平日は生活介護型事業所に通っている。事業所では生活介助をしてもらいながら、軽作業などの仕事やレクリエーション活動を行う。
朝7時にこのはさんが起きると、両親が交代で食事や身支度をさせ、かかりつけ病院に通院して10時までに事業所へ車で送る。16時半に帰宅してからも食事や入浴など、一日を通して親のサポートが欠かせない。そのため、避けて通れないのが“親亡きあと”の問題だ。
「このはが幸せな日々を過ごせるように願っていますが、突然、私たちに何かあるかもしれない。娘のためにも今から預け先のグループホームを探しています」(お母さん)
今年の頭、ショートステイにもトライした。
「慣れない人と場所に緊張して、娘は帰ってきてからしばらく一睡もできなくて。娘にストレスがかからない施設を慎重に選んでいきたいですが、なかなか見つからないのが現状です」(お父さん)