こうした県民の声について、刑事告発した上脇教授はどう思うのか。話を聞いた。
「ネットの不確かな情報を信じ込んでいる人が大勢いるようですから、今も支持する人が多いのでしょう。先の知事選は異様だったと思います。斎藤知事は選挙で、公約のうち着手した政策と達成した政策の合計が99・8%だと訴えていましたが、ネット上では“達成率が99・8%”とする誤った情報が拡散されました。さらに選挙の論点が、元局長のプライベートに設定されてしまったことや、NHK党の立花孝志氏が斎藤知事を応援するために立候補するなど、とても民主的な選挙とはいえない状況でした」
斎藤知事の話題は視聴率がとれる
斎藤知事の疑惑を告発した元局長の不倫疑惑が一部で報じられたことから、ネット上では元局長の告発内容に疑いを持つ声も拡散された。こうした真偽不明の情報が流布された影響によって斎藤知事が再選したと見る向きもあり、批判を続けた新聞やテレビなどの“オールドメディア”が敗北したとする声もある。
「そのオールドメディアは、47都道府県あるうちの、たった1つの県政の話を連日、全国ネットで報じ続けています。斎藤氏を支持する人からすれば、テレビが執拗に斎藤氏を攻撃していると思うのでは」(ITジャーナリスト)
兵庫県政について、テレビが連日、報じるのはなぜか。かつてテレビ朝日で報道番組の制作に携わった経験のあるフリープロデューサーの鎮目博道氏は、
「この騒動は、次々と新たな展開が起き続けています。何より登場人物のキャラが立っていて、発言内容も面白い。私も過去に報道番組を担当していたのでわかりますが、番組責任者として自分が担当した曜日の視聴率が落ちることは避けたいもの。だからこそ視聴率が取れそうな斎藤知事の話題を扱うのでしょう」
と話し、こう続ける。