しかし、パ・リーグ球団を取材するスポーツライターによると、決して「裏切り」とは言えない事情もありそうだ。複数報道では日ハムの“争奪戦”参加も伝えられたが、
「球団が提示した契約は、在籍時の年俸と据え置きの単年契約だったとも見られています。資金が潤沢なホークスとは違い、現実路線の経営をする球団だけにマネーゲームには参加せず、来るもの拒まず去るもの追わずのドライな編成ですからね」
“どうしても上沢が必要”ではない
さらに新庄剛志監督(52)の元でリーグ2位につけた今シーズン、原動力となったのがエースの伊藤大海(27)、10勝を挙げた加藤貴之(32)、そしてオリックスから移籍した山﨑福也(32)ら投手陣。さらに金村尚真(24)をはじめ、伸び代十分な若手投手も揃っている。
「伊藤を中心にベテランと若手がうまく噛み合っている投手陣の現状、さらに高額年俸を出してまで“どうしても上沢が必要”というチームではないと思います。当の本人も、日ハムからオファーを受けた時点で、“戻るならどうぞ”くらいの空気を感じ取って、逆にホークスに居場所を求めざるを得なかったのではないでしょうか」(同・スポーツライター)
それでも2023年、同じくポスティングで日ハムからメジャー挑戦した有原航平(32)が、帰国後にソフトバンクに移籍したように、システムの“穴”を疑問視する声も各方面で相次いでいる。
今回もネット上では“上沢式FA”などと揶揄されているが、ルール改正に本腰を入れる時期に来ているのは確かだろう。