近郊から働きに来ている人は休日に帰省しているそうだが、生島さん自身は自宅が遠方のため、ほぼ帰っていないという。休日は原付バイクで周辺の観光を楽しんでいる。

「お正月の箱根駅伝を間近で応援する楽しみもあります。家には夫がいますが、自分のことは自分でできるので、私がいなくても生活は問題なく回っているようです。次は北へ行こうか、南へ行こうか……考えるだけでもワクワク。

 私はもともと旅行が好きなので、忙しかった子育て中にはできなかったことを今、叶えているという感じです」

リゾートバイトに強い派遣会社を選ぶ

 ここ最近、リゾートバイトという働き方に人気が出ている背景には、生島さんが登録する「ダイブ」のように日本全国、南から北までの求人情報を豊富に持った派遣会社ができた影響も大きいという。

「以前は特定のエリアの求人に強い派遣会社しかありませんでした。働きつついろいろなところを旅したいなら、登録する会社選びも大切です」と、前出の原さん。

 もし、宿泊施設と直接の雇用契約を結んだ場合、例えば仕事内容が事前に聞いていたのと違うなら、自分で交渉していかなければならない。

西表島ではホテルの社員食堂で主に働いていた生島さん。海辺に面していた職場だったので海水浴なども楽しんだ
西表島ではホテルの社員食堂で主に働いていた生島さん。海辺に面していた職場だったので海水浴なども楽しんだ
【写真】娘と一緒に「リゾートバイト」デビューをした生島さん

実際の仕事や待遇が異なる、人間関係でもめた、といったトラブルが発生した場合も、営業担当が間に入って雇用側と話をしますので、直接やり合わなくてよいという安心も。派遣で働くということは派遣先の宿泊施設や観光施設ではなく、派遣会社に雇用されることになります。

 そのため、その派遣会社が社会保険完備かどうかをチェックする必要も。ちなみにうちは完備なので、加入条件を満たせば、リゾートバイトでも社会保険の加入が可能です」(原さん、以下同)

 厚生年金にも加入できるので、老後の年金を上積みしたい人にもぴったりだ。また、「思っていたのと違う」というミスマッチを防ぐには求人情報をしっかり見て、具体的にそこでの生活をイメージすることも大切。

観光業は特に『中抜け』という、日中に2時間程度の休憩があるシフトが多いのですが、時間内に終わらなかったり、意外にゆっくり休憩がとれないのがキツイという方も。ある程度、体力はあったほうが安心ですね。

 また、実際に行ってみると車がないと移動ができないという場合もあるので、事前に交通手段や周辺環境を調べておきましょう。部屋にキッチンが付いている寮と共同の寮、中には相部屋の場合もあるようなので、生活環境についてもチェックが必要です」