年昆布について研究する大学教授が「昆布の連続摂取で、体脂肪量、体脂肪率を低下させる効果がある」と発表。正月太りが気になる人は、おせちやお雑煮づくりで残った昆布をたっぷり食べてみて!
昆布で体脂肪率が5%も減少
昆布の効果を研究している大妻女子大学家政学部植物学科の青江誠一郎教授に話を伺った。
「今回の研究では20~63歳の健康な日本人の男女44人を2つのグループに分け22人には粉末状の昆布入りクッキーを、残りの22人には昆布なしのクッキーを3か月間、主食代わりに1日6枚食べてもらいました。クッキーはココア味で、昆布の風味がココアでかき消されるため、被験者は自分がどちらのクッキーを食べているかわかりません」(青江先生、以下同)
その結果、昆布を食べたグループは食べていないグループと比較して、体脂肪率と最大血圧が低下。腸内環境も改善していたとのこと。
「体脂肪の減少がはっきりと確認されたのは男性の被験者で、体脂肪率が30%から25%になるなど、だいたい5%ほど低下しました」
体脂肪率が5%ほど減ると、ポコンと出っ張ったおなかが引っ込むなど、見た目にもはっきりと変化が現れる。これはかなりうれしい効果だが、女性は体脂肪率が減らなかったということ?
「そんなことはありません。肥満には皮膚の下に脂肪がつと、お腹まわりの内臓に脂肪がつくがあり、女性は皮下脂肪型、男性は内臓脂肪型が多いといわれています。内臓脂肪は皮下脂肪と比べると減りやすい、という特徴がありますから、3か月間という限られた期間では、内臓脂肪の多い男性に効果が出やすかったのでしょう。もっと研究の期間が長ければ、皮下脂肪の多い女性にも変化が見られたはず。また今回の研究では、女性の被験者を平均すると統計的に意味がある差が出なかっただけで、中には体脂肪率が減少した女性ももちろんいました」
一方、男女差なく効果が見られたのが、最大血圧と腸内環境。
「最大血圧は〈15mmHg→127mmHg〉〈14mmHg→120mmHg〉など20mmHg以上、低下した被験者が続出しました。最大血圧の基準値は140mmHg未満ですから、要は高血圧の危険信号がともっていた人が適正な血圧に落ち着いたのです」
では、腸内環境にはどんな変化が?
「私たちの腸内にはさまざまな種類の菌が生息していて、その中で身体にいい働きをする菌を善玉菌、悪さをする菌を悪玉菌と呼んでいます。腸内ではこれらの菌が椅子の取り合いっこをしていて、どちらの菌が優勢になるかで腸内環境の良しあしが決まりますが、昆布を食べたグループでは善玉菌の比率が5%ほど増えたことが確認されました。これは腸内環境が良くなったことを意味します」
しかも増えたのは、ダイエットに役立つ菌だったそう。
「善玉菌の中にはエネルギー消費を高める働きをすると呼ばれるものがあります。今回の研究で比率が高まったのが、このやせ菌。その結果、エネルギーが効率よく使われるようになるので、脂肪も燃えやすくなります」